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コラム「北斗七星」
近所の公園がにぎやかで、輪投げなどとともに包丁研ぎのコーナーもあった。1丁研いでもらうと、スパッとよく切れるようになった◆建築従事者の労働組合「東京土建」の分会が開いた催し。政党色は見えない。各党議員も顔を出していたようだ。ところが、こんな報道があった◆5月22日付読売新聞によると、東京土建が自民党に要望活動を行った本部役員を除名などとしたのは違法だとして、地位確認などを求めた訴訟で、処分を無効とする東京地裁の判決が確定していた。判決を高裁も支持し、最高裁が今年2月、東京土建の上告を棄却した◆提訴したのは、東京土建の中央副執行委員長だったS氏ら。任意団体を設立し、2020年8月、自民党都議に要望書を提出。これが規約違反とされ、S氏ら2人が除名、別の役員が役職罷免などとされた。S氏らは、東京土建の要望活動先が共産党会派などに偏っていると批判していた◆「政党支持の自由」を掲げる東京土建だが、“実態は共産党への完全な従属”との指摘も聞こえてくる。今回の除名での“切れ味”の鋭さを見ると、党改革を訴えた党員を除名し「異論封じ」の体質をさらした共産党と、相通じるものがあるようにも映る。(丈)