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能登地震 輪島朝市「再建へ第一歩」
焼け跡の公費解体始まる
公明、手続きの簡素化推進
輪島朝市の公費解体について関山さん(左)から話を聴く谷内県代表=9日 石川・輪島市
能登半島地震による大規模火災で焼失した石川県輪島市の観光名所「朝市通り」周辺で、建物の公費解体が5日から始まった。公明党同県本部の谷内律夫代表(県議)は9日、現地を訪れ、朝市組合の関山俊昭副組合長(73)から復旧・復興への思いを聴いた。
50年近く、関山さんは蒸しアワビなど海産物を販売してきた。「朝市は先人から受け継がれてきた大切な場所。ゼロから新しい売り方をつくり上げ、次の世代に朝市の文化を残したい」と語る。公費解体の開始は「震災後のままだった風景が動き、再建への第一歩」と前向きに捉える組合員の思いを代弁した。谷内県代表は「今後もこまめに声を聴き、できる限りの後押しをしたい」と応じた。
建物の公費解体は、所有者全員の同意を必要とするルールが壁になり、作業が進まなかった。所有者全員の同意を取り付けることの困難さを訴える声を、公明党の国会議員と地方議員が被災者から聴き、国に対し申請手続きの簡素化を要請。環境省と法務省が5月28日、「倒壊などで建物としての機能を失っている場合は、所有者全員の同意がなくても自治体の判断で解体可能」と要件を明確にし、石川、富山、新潟、福井の4県に通知していた。
朝市通りでも法務局の職権により、エリア内の全264棟が機能を失い「滅失」したとする手続きが完了。所有者全員の同意なしに、災害廃棄物として解体できるようになった。