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コラム「北斗七星」
「乳がんで無くした右胸」へ、35歳の女性はつづった。「君がいなくなった跡地には、ちょっぴり強くなった心が住んでいます」。福井県坂井市の「日本一短い手紙」コンクールでの大賞作の一つ◆告知時の衝撃、将来に募る不安、手術後の喪失感……。若くして、がんと向き合うことを余儀なくされた作者の葛藤は、いかばかりか。一つ一つ勝ち越えてきたからこそ、紡ぎ出せた言葉だろう◆体だけでなく心の苦痛も和らげて、がんと闘う患者や家族を支えていく。そんな決意で公明党は、対策基本法に“診断時からの緩和ケア提供”を盛り込ませた。現場で実践が広がる。治療で髪を失っても自分らしく暮らせるよう、地方議員が医療用かつらなどの購入助成を訴える。600超の自治体で実施されている◆今月、20世紀を代表する報道写真家ロバート・キャパの没後70年を迎えた。彼はこう語ったという。「君がいい写真を撮れないのは、あと半歩の踏み込みが足りないからだよ」◆膝詰めの対話を通して悩みや苦しみを聴き出し、そこから政策につなげる。会議室でちょっと聞く程度では発揮できない「小さな声を聴く力」。これを磨く挑戦で、公明党らしさ光る「いい働き」をめざしていきたい。(芯)