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2024年5月27日

コラム「北斗七星」

「生成AI考」と題する4月30日付読売新聞の報道に衝撃を受けた。中学生が英作文の提出課題に生成AI(人工知能)を使った事例などが紹介され、思考力や学習意欲への悪影響が懸念されていた◆AIがいち早く注目されたのは、将棋や囲碁の世界。対局報道ではAIによる形勢判断や次の最善手が瞬時に示され、大多数の棋士が研究に活用している◆この状況について囲碁の七冠を過去2度独占した井山裕太棋士は「皆が同じ先生について習っているようなもの」(4月7日付「産経」)と指摘。先月は「十段」を奪還して三冠に返り咲いたが、たとえ結果が悪くなったとしても「打ちたい手を打つ」信念を貫いてきたという◆AIを使えば間違いはないのかもしれない。しかし、失敗から学び、成長するのが人間ではないか。自分で苦闘して答えを探す中に新たな発見と感動があり、個性も生まれるのではないか◆AIにはもちろん有用な面もあり、井山棋士は「軸となる自分のスタイルや考え方は残しつつも…プラスになると感じたものは柔軟に取り入れていきたい」(同「産経」)と。政府は生成AIの法整備の検討に入るようだが、教育現場での活用も注意深く考えていきたい。(祐)

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