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2024年5月11日

【主張】犯罪被害の遺族給付金 大幅拡充で大半は1千万円超へ

殺人など犯罪被害で命を落とした人の遺族に対する国からの給付金が大幅に増額される見通しとなった。公明党が一貫して主張してきたもので、評価したい。

警察庁は先月、犯罪による被害者や遺族に対し国が給付金を支払う「犯罪被害給付制度」を抜本的に拡充する改正案を公表した。遺族に支払われる「遺族給付金」は最低額を現行の320万円から、大半のケースで1060万円に大幅に増額する方針で、6月中の実施をめざす。

現行制度では、遺族給付金は事件当時の被害者の収入や年齢などによって算出される。このため、被害者が幼い子どもや学生、専業主婦などの場合、給付額が低い水準に抑えられることになる。20歳未満の収入がない子どものケースでは、給付金は最低額の320万円にとどまる。

犯罪被害者の遺族は、精神的なショックから働けなくなったり、葬儀や裁判といった犯罪被害に関連する支出などで経済的に苦しくなるケースが少なくない。

犯罪で生じた損害について第一義的に責任を負うのは当然、加害者であるが、現実には加害者に支払い能力がないなどの理由で、十分な損害賠償を受けられていない実態がある。

このため、警察庁は給付水準の引き上げに向け、昨年夏から有識者検討会で議論を開始。法律で加入が義務付けられている自動車損害賠償責任(自賠責)保険など他の公的給付と同水準に給付額を引き上げるべきだとの結論に至った。

今回の改正案では、遺族給付金の最低額を引き上げるとともに、受け取る遺族が被害者の配偶者か父母、子どもの場合、給付額を加算する仕組みを設けた。これに該当すれば、1000万円を超える給付金を受け取れるようにする。

併せて、犯罪により重傷を負った被害者に支払われる「重傷病給付金」や、犯罪後に障がいが残った被害者に対する「障害給付金」も拡充される。

経済面以外も含め、国には犯罪被害者や遺族への支援を一層強化してほしい。

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