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寄贈者家族の声受け郷土館改修
鹿児島・薩摩川内市
「相談してから、すぐに動いてくれた。市に声が届いてうれしい」。こう語るのは、鹿児島県薩摩川内市に住む平山和郎さんだ。市内の老朽化していた「樋脇郷土館」の改修を公明党の坂口正幸市議に相談したことを契機に、このほど工事が実施された。
同館は美術や考古、民俗、歴史に関する894点の資料を保管・展示している市の施設。1964年の東京五輪のユニホームのほか、軍服など貴重な資料が所狭しと並べられている。多くが市民からの寄贈品だ。
だが、85年の竣工から40年近くがたち、施設の老朽化が進んでいた。展示室の壁は黄ばみ、展示ケース内にもカビが生えた状態。出入り口にあるスロープには、こけが生え、来館者が足を滑らせる危険な状態が続いていた。
父親が郷土館に多くの資料を寄贈していた平山さんは、昨年、同館の様子に「施設や展示品が大切にされていない。あんまりだ」と残念に感じたという。
そこで、かねて親交のあった坂口市議に相談。坂口市議が2023年9月の定例議会で取り上げたことで、展示室や展示ケースの改修、スロープの清掃などが実現した。「きれいになったので、訪れやすくなったと思う。多くの人に資料を見てもらいたい」。平山さんの表情が笑顔になった。