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2024年5月2日

【主張】男女の賃金格差是正 出産後の離職防ぐ環境整備を

男女間の賃金格差を是正するため、女性の就労環境の改善を一層、進めたい。

政府は先月24日、「女性の職業生活における活躍推進プロジェクトチーム(PT)」の初会合を開き、女性の所得向上などに向けた議論をスタートさせた。

PTは、男女間の賃金格差を欧米諸国並みの水準に縮小させる目標を掲げ、6月に策定する「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)に向けて具体策を検討する。

経済協力開発機構(OECD)の調査(2022年)では、男性の賃金を100とした場合、日本の女性の賃金は約79で、OECD平均の約88を大きく下回っている。欧米諸国はいずれも日本より高く、特に北欧は90を超す国も少なくない。

日本の賃金格差が大きい原因の一つは、出産や育児を機に離職することで、女性は男性より勤続年数が短く、管理職への登用も少ないことが指摘されている。

日本では、多くの企業が主に勤続年数に応じて賃金が上昇する年功序列制を採用しており、一時的な離職が賃金の低下につながっている。出産後も継続して働けるよう、社員のニーズに合わせた柔軟な対応が企業には求められる。

岐阜市の「三承工業株式会社」では出産した女性も働きやすいよう、短時間勤務や就労時間を弾力的に設定できるフレックスタイム制を推進。子どもと一緒に出社できる「カンガルー出勤」のサポート体制も整えるなど、きめ細かな支援を行っている。

女性の管理職を増やすため、キャリアアップ支援に取り組む企業もある。丸亀製麺などを運営する「株式会社トリドールホールディングス」(東京都渋谷区)は、管理職を希望する社員が必要な知識やノウハウを学べる勉強会を開催している。こうした工夫を参考にしたい。

PTでは各業界の課題や好事例を踏まえ対応策を検討するほか、同一労働同一賃金や男性の育児休業取得の促進策も議論する。女性が生き生きと働ける環境整備へ知恵を絞ってほしい。

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