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コラム「北斗七星」
病気になるほど酒を飲む金があるなら、女房や子のことも考えろ。医者に諭されても開き直る男を、同じ長屋の住人はかばった。「一日々々がぎりぎりいっぱい、食うことだけに追われていると、せめて酔いでもしなければ生きてはいられないものです」◆山本周五郎の時代小説「赤ひげ診療譚」にあった。言うに言われぬストレスを抱えて懸命に生きる毎日、酒でつらさをやり過ごしたい。そんな思いは今も昔も変わらぬか◆国が初めて飲酒ガイドラインをまとめ、心身への影響や目安量などを示した。1日当たりビール500ミリリットル(純アルコール量20グラム)以上の飲酒を続けると大腸がんのリスクが高まるとか。飲酒後の自制心をなくした行動によるリスクも記されている◆飲み過ぎて失った健康も、失った信頼も、取り戻すのは大変だ。相模原市議(維新)が今月、酒気帯び運転で検挙され党を除名に。その後、辞職した◆「百薬の長とはいへど、万の病は酒よりこそ起れ」。吉田兼好の「徒然草」にあるように、酒の怖さは何百年も前から存知のこと。とはいえ、改めて具体的な量まで示されたのだから、少しは減らさなきゃならん。酒は飲んでも飲まれてはならん。自らに言い聞かせている。(之)









