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コラム「北斗七星」
米国には13年または17年に1度、特定の地域で大発生する不思議なセミがいる。報道によると、今年は13年ゼミと17年ゼミの成虫になるエリアが一部で重なり、今頃から6月にかけてイリノイ州で同時に姿を現す。双方合わせると1兆匹に上るそうだ◆13と17は、1とその数以外では割り切れない素数である。二つの年が重なるのは最小公倍数の221年に1度。前回は1803年で日本では江戸時代だ。気が遠くなる巡り合わせといえる◆生物学者の吉村仁・静岡大学名誉教授はこのセミの生態を詳しく分析し、その特徴から“素数ゼミ”と名付けた◆300万年ほど前、地球全体が氷で覆われるほどの環境変化が起こる。セミは長期間、幼虫のまま地中で過ごし、少なくなった樹木の養分を吸い成長した。そして、長い歳月の生存競争を繰り返すなかで、13年と17年に1度、成虫になった2集団が現在まで子孫を残し続けることができた(『素数ゼミの謎』文藝春秋刊)◆直近の13年前といえば、東日本大震災が発災した年である。この間、公明党はネットワークの力で復興を前へ進めてきた。これからも被災者一人一人に寄り添いながら、着実に「人間の復興」にまい進していく。(歩)