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“自助”で水害から命守る
東京都版「マイ・タイムライン」
避難行動を事前に整理
150万部作成、デジタル版も配信
都が配布を進める「東京マイ・タイムライン」
九州地方を中心に大雨への警戒が続く中、あす6日で西日本豪雨災害の発生から丸1年を迎える。大勢の犠牲者が出たことを教訓に、住民が自らの避難行動を事前に決めておく「マイ・タイムライン」があらためて注目されている。東京都は、その整理に役立つ都独自のツール「東京マイ・タイムライン」を約150万部作成し、6月から都内の区市町村のほか、全ての小中学校、高校の児童・生徒に順次配布している。子どもから大人まで多くの都民らに適切な避難行動の“自助”につなげてもらいたい考えだ。
マイ・タイムラインは、2015年の関東・東北豪雨で発生した鬼怒川氾濫による茨城県常総市の大規模水害を教訓に、国土交通省などが逃げ遅れを防ぐ対策の一つとして推進し始めた。各人が取るべき行動が時系列で把握でき、徐々に危険性が高まって発生する風水害の備えに特に有効とされる。
都が提供するツールは、ガイドブックと避難行動が書き込めるシート、作成用シールなど。ガイドブックには、東京で起こりやすい風水害や作成ポイントなどを掲載し、小学校低学年(1~3年)から一般用まで年代別に5種類用意した。
シートは台風、大雨、急な豪雨の各ケースに対応。記入に当たり、区市町村などが公表したハザードマップから、地域の災害リスクや避難先への安全な経路を確かめ、必要となる防災情報や、自分と家族が無事に避難できるまでの避難準備と避難のタイミングを考えていく。
移動に時間がかかる高齢の家族などがいる場合、避難開始を早め、「持ち出す常用薬を用意する」など、必要となる行動と要する時間を挙げて書き込む。
「水害リスクマップ」では、浸水時の深さをイメージ図で確認できる
都は、都の防災ホームページやスマートフォン向け「東京都防災アプリ」を通じて、マイ・タイムラインの作成・保存が手軽にできるデジタル版も配信。併せて同アプリの「防災マップ」に、水害の危険性を分かりやすく伝える「水害リスクマップ」の機能を追加し、各地点の浸水時の深さや土砂災害の危険性が地図上の色分け表示やイメージ図で確認できるようにした。
全小中高 児童・生徒に配布 公明が推進
東京マイ・タイムラインの活用法を学ぶ新小岩中学校の授業の様子
「大雨で洪水が起きたら、ここはどうなる?」。一級河川の荒川に近く、大規模水害の懸念がある葛飾区の新小岩中学校では6月27日、2年生クラスの授業で東京マイ・タイムラインが配布され、生徒たちが水害への備えを学んだ。
講師役の都職員はシートの作成方法を紹介し、「水害時は自分の命を守ることを最優先して」と呼び掛けた。終了後、男子生徒の一人は「準備で防げることがあると分かった。家族でも話し合ってみたい」と語っていた。
マイ・タイムラインの普及に向けて都議会公明党(東村邦浩幹事長)は議会質問を通じ、いち早く都の積極的な取り組みを要望するとともに、住民の作成支援や、水害リスクが視覚的に実感できる技術の活用などを一貫して主張してきた。









