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【主張】水素の利用拡大 進む国際協力を日本が主導せよ
地球温暖化の原因となっている二酸化炭素(CO2)の排出量を減らし、脱炭素社会を実現するための切り札は、水素であると言っても過言ではない。水素は、酸素と化合して水になるときに電気を発生するが、CO2を一切排出しないからだ。
日本が初めて議長国となり、大阪市で開催された20カ国・地域(G20)首脳会議で採択された「大阪宣言」には、環境に優しいクリーンな新エネルギー源としての水素の重要性を確認する文言が盛り込まれた。この認識が国際的に広く共有されるようになったのは、最近のことだ。
国際エネルギー機関(IEA)が先月14日、水素に関する初の報告書を公表し、水素が脱炭素社会の実現に大きく貢献するとの見解を示したことが注目されたためである。
この報告書の作成をIEAに要請したのが日本である。こうした日本の働き掛けが、水素の普及を促進する国際協力体制の構築に、実際に結び付いている。
例えば、日本の経済産業省と米エネルギー省、欧州委員会エネルギー総局は先月15日、水素分野での3カ国・地域の協力を盛り込んだ共同宣言を出した。また、日本は、サウジアラビアやオーストラリアとも連携し、水素の利用拡大を進めることにしている。こうした国際協調の取り組みを日本がリードしたい。
特に、水素を太陽光や風力などの再生可能エネルギー(再エネ)の普及に役立てる技術開発が重要である。
再エネは、日射の強弱や風速の変化など天候の影響を受け、発電出力が変動する。そのため、再エネを有効に活用するには、余剰電力を貯蔵し、電力が必要な時に供給できる技術の確立が不可欠だ。
この点で注目されているのが、再エネで発電した電力を水素ガスに転換、貯蔵する「パワー・トゥ・ガス」(P2G)という技術である。これにより、発電量が天候に左右される再エネでも、安定した電源になり得る。
日本は、福島県浪江町に世界最大級のP2Gの実証施設を建設し、実験を行っている。公明党も建設現場を視察するなど、強く後押ししている。実用化を急ぎ、日本の技術を世界にアピールしたい。









