公明党トップ / ニュース / p339499

ニュース

2024年3月2日

コラム「北斗七星」

「国や自治体、専門家などが連携し、専任の対策チームをつくるべきではないか」。5年ほど前に札幌市内へのヒグマの出没が相次いだ際、有識者が語った言葉が重みを増す。本年度のクマによる人的被害は200人を超え、過去最多に◆この状況に対応する第一歩として、環境省は四国地方を除いてクマを「指定管理鳥獣」に追加することを決めた。これにより、都道府県が計画的に進める捕獲事業をはじめ、個体数や生息域の実態調査、定期的なモニタリングなどを国が交付金で支援する◆北海道内の場合、ヒグマの生息数は過去30年間で倍増し、1万1000頭を超えると推定されている。この間、人口減少へと転じた社会環境の変化と相まって、ヒグマの生息域と人里との境界が曖昧になってきた。あらためて、それぞれを隔てる「ゾーニング」が必要だろう◆一方、出没現場でパトロールに当たり、問題個体の駆除を担う猟友会の会員は減少の一途。民間ボランティア頼みの体制を見直すべき時期が、いずれ来るかもしれない◆豊かな自然を象徴するクマとの共生と、住民生活が脅かされることのない仕組みづくりへ。冬眠から覚める春を前に、いま一度議論を深めていきたい。(武)

公明新聞のお申し込み

公明新聞は、激しく移り変わる社会・政治の動きを的確にとらえ、読者の目線でわかりやすく伝えてまいります。

定期購読はこちらから

ソーシャルメディア