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能登地震 高齢者、障がい者らの福祉を全国から支援
災害派遣チーム(DWAT)が活躍
専門家で構成、避難所改善や生活相談
能登半島地震では、被災者の避難生活が長期化し、高齢者や障がい者らの健康・介護状態の悪化などが危惧されている。こうした配慮が必要な人へ福祉支援を行うため、各地の自治体から駆け付けた災害派遣福祉チーム(通称・DWAT、一部地域でDCATとも呼ばれる)が、福祉避難所などで奮闘している。公明党の推進で各地に誕生したチームだ。これとは別に、人手が不足する被災地の福祉施設へ、ケアの担い手となる介護職員を全国から派遣する取り組みも進んでいる。
金沢市内のいしかわ総合スポーツセンターと産業展示館2号館の2カ所に設けられた「1.5次避難所」。公民館などの1次避難所から環境の整った宿泊施設の2次避難所に移るまで、高齢者や障がい者らが一時滞在する施設だが、今も100人以上の避難者が身を寄せている。ここで支援の一翼を担っているのが、災害派遣福祉チームだ。
同チームは社会福祉士や介護福祉士、保育士を含む専門家で構成され、避難所の環境整備や相談支援、食事・トイレ介助といった日常生活支援などを実施。災害医療を行う災害派遣医療チーム(DMAT)の“福祉版”と呼べる存在だ。
22年度新設の「中央センター」が広域連携を調整
同福祉チームの必要性が強く指摘されるようになったのは、2011年の東日本大震災。避難所で必要なケアを受けられず、災害関連死が相次いだ課題を踏まえ、国が後押しし、全都道府県にチームが整備されてきた。22年度からは厚生労働省の事業として、大規模災害時にチームの広域派遣を調整するため、全国社会福祉協議会(全社協)が主体となり、災害福祉支援ネットワーク中央センターが発足。能登半島地震で初の本格的な稼働となる。
29道府県が参加
元日の発災後、1月6日にはチームの先遣隊が被災地入り。これまでに、地元・石川県も含む29道府県のチームが、1.5次避難所をはじめ被災地の一般避難所・福祉避難所で活動を続けている。
群馬県の「ぐんまDWAT」に所属する理学療法士・南川基治氏は1、2月に計11日間、1.5次避難所で活動した。トイレに行きやすいよう被災者のテントを配置したり、「何でも福祉相談コーナー」で今後の生活への不安や介護申請の相談などに対応した。医療を担うDMATや保健師などとも情報共有を密にしたという。
南川氏は「避難所では急速に介護が必要な状態になる高齢者が多くなるので注意しながら対応した。支援に対して、『遠くから来てくれてありがとう』と被災者から感謝されたチームメンバーもいる」と話す。
全社協法人振興部の鈴木史郎部長は「石川県の福祉担当者と二人三脚で被災者支援に当たっており、地元に負荷がかからないようにしつつ、災害派遣福祉チームが円滑に活動できるよう中央センターとして尽力している」と語る。
公明、創設を提唱し推進
公明党は東日本大震災直後の11年3月22日、医療支援だけではなく高齢者などへのケアが必要だとして、“福祉版DMAT”の創設をいち早く国会質問で提唱。その後も国会質問で繰り返し取り上げ、推進してきた。
各地の地方議員も定例議会などで導入を訴え、都道府県の対応を促すとともに、チームの人材養成などを力強く後押ししてきた。
ケアを担う介護職員
1000人超、被災地で活動
被災地には、高齢者らのケアを直接的に担う介護職員も派遣されている。
厚労省と災害福祉支援ネットワーク中央センターは、全国の社会福祉施設から介護職員らを募り、被災施設のニーズとマッチング(引き合わせ)させ、派遣する取り組みも展開。派遣に向け登録した介護職員は約3200人に上り、2月20日までに被災地の社会福祉施設などに292人、1.5次避難所に778人の計1000人以上が派遣された。
社会福祉法人・草の根共生会(大阪府東大阪市)に勤める介護福祉士の林田大輔氏は、要請に応じ、2月6日から5日間、石川県輪島市で活動した。施設が被災し、障がい者が身を寄せている同市内の福祉避難所で、掃除や食事の準備、入浴支援のための送迎などに従事した。林田氏は「短期間でも、利用者からは名前を覚えてもらい喜んでもらえた。少しでも被災地の利用者や職員の負担軽減に役立てればと思う。また機会があれば、派遣に協力したい」と話す。









