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【主張】単身高齢者の住まい 地域挙げた支援体制の構築を
暮らしの基盤となる住まいの確保支援は、社会保障政策における重要な柱の一つだ。高齢化が進み社会構造が変化する中、支援を強化していく必要がある。
政府は9日、生活困窮者自立支援法などの改正案を閣議決定した。同法は経済的に困窮している人を早期に支援するため、公明党のリードによって2013年に制定されたものだ。今回の改正案は、低所得の高齢者や障がい者など住宅の確保に配慮を要する人への支援強化が狙いである。
単身高齢者らが、孤独死や認知機能の低下によるトラブル、家賃滞納といったリスクを理由に賃貸住宅への入居を断られるケースが相次いでいる。単身高齢世帯は今後、さらに増加すると見込まれており、対策を急がねばならない。
そこで、職を失い家賃の支払いが難しい場合に支給される「住居確保給付金」の対象者を拡大し、就職活動を行っていなくても家賃が安い住宅への転居費用を補助できるようにする。
家賃負担が軽減されれば経済的な事情で住居を失うリスクを回避でき、日常生活の安定につながろう。
改正案ではさらに、生活困窮者を対象にした自治体の「自立相談支援事業」に住まいに関する相談機能を加えることとした。入居時から退去(死亡)時までの見守り支援についても自治体の努力義務とする。
重要になるのが、自治体を中心とした地域の担い手が協力して居住支援を行う体制の構築だ。
既に、自治体や不動産事業者、NPO法人などが連携する居住支援協議会が全都道府県に設置されているが、市区町村での設置割合は5%にとどまっており、設置の推進が必要である。
神奈川県座間市や福岡県大牟田市では同協議会が核となり、地域の担い手が役割を補完しながら支援を行っている。困り事の相談から転居後の支援まで切れ目なく支えるセーフティーネット(安全網)が構築されている点が参考になる。
今後の法案審議では、各地の支援体制の整備について十分に議論してほしい。









