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小学校で動物愛護教育
杉本彩さんが出前講座
共生社会実現へ啓発
命の尊さ学び 「優しい大人に!」
大阪・柏原市
動物の命を大切に!――。大阪府柏原市はこのほど、市立小学校2校で、公益財団法人動物環境・福祉協会「Eva」の理事長で女優の杉本彩さんを講師に招き、動物愛護の観点から命の尊さを学ぶための出前講座を実施した。このうち堅下北小学校で行われた授業に、市議会公明党(中村保治幹事長)のメンバーが参加。終了後には杉本さんと懇談した。
「Eva」は、人と動物が共生できる社会の実現に向け、動物愛護に関して、国や自治体への政策提言、啓発活動などに取り組む公益財団法人。今回の出前講座は4年生を対象に、同法人が各地の学校で授業を行う「いのち輝く こどもMIRAIプロジェクト」の一環として開催された。
「動物の小さな命を大切にしてほしい」。冒頭、真剣なまなざしで耳を傾ける児童に優しく語り掛けた杉本さん。動物は言葉がなくても豊かな感情を持ち、人間と同じかけがえのない命があると力説する一方で、業者や飼い主による無責任な遺棄や虐待が後を絶たない現状を説明した。
そうした中、これまで劣悪な飼育環境で生まれた犬を保護し愛情を注ぎ育てた結果、人間への恐怖心がなくなり、元気を取り戻した自身の動物愛護に関する体験談を紹介。「動物の幸せ、不幸せは人間の気持ちと行動次第」と述べ、「動物や周囲の友達も含め、相手の気持ちが想像できる、優しさあふれる大人になってほしい」と期待を込めた。
講演後には、児童らによるディスカッションを実施。講演内容の感想や動物と関わる上で重要なことについて意見を出し合った。児童からは、「動物を飼う前に、最期まで育てられるか自分に問い掛けたい」や、「一匹一匹、たくさんの愛情で育てたい」などの感想が上がっていた。
終了後、市議会公明党は杉本さんと懇談。杉本さんは動物虐待の防止へ、子どもたちが思慮分別を身に付けるためにも動物愛護教育は重要だと強調した。また公明党について、「(動物愛護の社会構築へ)身を粉にして、小さな命に思いを寄せた政策を推進し感謝している」と述べていた。
今回の出前講座は、子どもたちに命の尊さや、人を思いやる気持ちを育むことが狙い。開催に当たり、柏原市は講座の目的に賛同した企業からの寄付金(企業版ふるさと納税)を財源に充てた。
市議会公明党はこれまで、新屋広子議員が中心となって動物愛護政策を強力に推進してきた。昨年3月の定例会では、中村幹事長が「子どもの頃から動物との共存、共生の意識を持つことが重要である」と指摘。このほか、新屋議員は「杉本さんに講演を依頼してはどうか」と、市担当課に直談判するなど、動物愛護教育の開催を市側に働き掛けていた。