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2024年2月7日

衆院予算委 公明党の質疑(要旨)

5日に行われた衆院予算委員会の基本的質疑で、公明党の高木陽介政務調査会長と稲津久氏が行った質疑の要旨を紹介する。

高木陽介 政調会長
能登半島地震
支援要員の拠点を整えよ

質問する高木政調会長=5日 衆院第1委員室

高木陽介氏 避難所生活の長期化が予想される。高齢者に対する医療・介護や子どもの心のケアなどに対応できる支援チームが必要だ。一人一人の被災者の人間の尊厳をどう守るのか。

岸田文雄首相 被災者一人一人のさまざまなニーズに寄り添い、吸い上げたニーズをしっかりと踏まえて対応する。

高木 復旧・復興のためにはマンパワーが必要だが、奥能登では宿泊施設が全壊・半壊など利用できない状況だ。例えば、プレハブを作るなど、宿泊体制の整備へ県と国の連携で対応すべきだ。

首相 喫緊の課題が宿泊施設だと認識している。政府として宿泊場所の確保のための経費の8割について、特別交付税によって措置し、県の取り組みを応援する。

さまざまな支援者による継続的な支援が可能になるよう、必要な支援を国としても用意していきたい。

高木 インフラ復旧の現場で作業するのは、建設会社の人たちだ。この作業メンバーの拠点を確保しないと復旧が進まない。

首相 工事業者に向けて宿泊可能な車両、コンテナなどの手配や、これらの駐車、設置場所の相談窓口のほか、宿泊可能な民間施設の情報を提供する枠組みを構築し、これを活用する形で官民連携して復旧・復興工事の加速化に取り組む。

首相 体育館の空調「設置へ支援」

高木 避難所となる小中学校の体育館への空調設置率は、東京都では都議会公明党の提言を踏まえて82.1%になっているが、全国では15.3%。今回の地震でも、厳寒の中、体育館で寒さに耐えている避難者が数多くいる。避難所となる体育館の空調設置が重要だ。国の財政支援も含めて見解を。

首相 公立小中学校などの体育館への空調設備の新設については、今年度から2025年度までの間、国庫補助の割合を引き上げて自治体の取り組みを後押しする。

必要な予算措置も進め、自治体による設置が速やかに進むよう支援していく。

政治改革
「連座制」の強化へ決断を

高木 政治とカネの問題については、政治資金規正法を改正して、再発防止を確かなものとすべきだ。会計責任者だけが責任を取り、政治家は責任がないのか。いわゆる「連座制」を強化する法改正が必要だ。民間企業でも不祥事が起きた場合には、社長が直接やっていなくても責任を取る。自民党総裁としての決断を求めたい。

首相 責任体制の厳格化について、各政治団体共通のルールを考えていくことは大変重要だ。例えば、公職選挙法のような形での連座制の導入になると、対象とする政治団体の範囲や違反の種類などについて丁寧な議論が必要だ。そういった点も念頭に置きながら協議を行いたい。

高木 しっかりと自民党としての案を出して、協議を迅速に進めてもらいたい。

中小企業の賃上げ
価格転嫁進む環境つくれ
後ろ向きな企業、調査・公表強化すべき

高木 雇用の7割を占める中小企業の賃上げへ、物品費や人件費の増加のため、価格転嫁できる構造をつくることが大切だ。経済産業省は昨年、下請けの中小企業にアンケートを実施し、下請け企業との取引で価格交渉や価格転嫁に後ろ向きな企業を実名公表した。今後さらに調査・公表を強化すべきだ。

首相 今後とも、調査・公表を強化していく。

高木 労務費の割合が高く、多重下請け構造となっていて、下請け現場の賃金が上がりにくい建設業、トラック運送業に関しては、労務費を含めた価格転嫁が進むような環境づくりを政府主導で行うことが急務だ。

斉藤鉄夫国土交通相(公明党) 建設業については、建設業法などを改正する法案を今国会に提出し、国が適正な労務費の基準をあらかじめ示す。下請け事業者まで適正な労務費の行き渡りを確保するとともに、資材高騰分の転嫁対策を強化することで賃金原資の確保を図る。

トラック運送業については、元請け事業者に対して、多重下請け構造の是正に向けた取り組みを義務付けるなど、適正な運賃導入を進める法案を今国会に提出する。

高木 中小企業の稼ぐ力を向上することも重要だ。新たな支援制度「中小企業省力化投資補助事業」は、省力化に効果のある汎用製品をカタログ形式で簡易に選択する制度だが、申請開始が4~5月と言われている。今年の春闘に間に合わない。

斎藤健経産相 「中小企業省力化投資補助事業」については、今月中にカタログに掲載する製品の公募を開始し、できるだけ早く事業者向けの公募を開始したい。

高木 (一般人が自家用車を使い有償で客を運ぶ)ライドシェアの解禁は、全国で20万人のタクシードライバーの働き方にも大きな影響を及ぼす。タクシーは命を運ぶ業種だ。新しい法制度の議論の前に、まず4月開始でタクシー会社が管理責任を負う日本型ライドシェアなどの効果や、運賃改定や地理試験の廃止などタクシー運転手の増加策の効果を検証することが必要ではないか。

首相 ユーザーの利便性だけでなく、安全確保や労働条件に係る課題についても、しっかり議論する必要がある。

子ども・子育て
大学無償化 第1、第2子も

高木 昨年末、政府は「こども未来戦略」に基づいて今後3年間で子ども関連施策を集中させる「加速化プラン」を決定した。公明党の「子育て応援トータルプラン」がベースになっている。予算規模は経済協力開発機構(OECD)トップのスウェーデンの水準をしのぐレベルだが、今回の政府の「加速化プラン」の内容が正確に国民に伝わっていない。

加藤鮎子こども政策担当相 子ども、子育て世帯にしっかりとメリットが伝わるよう丁寧に説明していく。

高木 25年度から所得制限を設けず、扶養する子どもが3人以上いる多子世帯を対象に、大学など高等教育の授業料などを無償化することになった。多子世帯の無償化は第一歩だ。次のステップで第2子、第1子の無償化をめざすべきだ。

首相 引き続き、高等教育費の負担軽減を中心に、ライフステージを通じた経済的支援のさらなる強化、若い世代の所得向上に向けた取り組みを適切に見直し、進めたい。

高木 昨年末に税制改正の議論で高校生の扶養控除が議論された。今回、児童手当の高校生までの拡充が行われるが、児童手当の拡充だけで安心して子育てができるかというと、そんな甘いものではない。教育の無償化が実現しきっていない中で扶養控除をなくすのはいかがなものか。

首相 扶養控除の見直しによって不利益が生じないようにしなければならない。25年度税制改正において最終的な結論を得ていく。

稲津久 衆院議員
被災者支援
教員ら派遣チーム必要
在宅介護の応援体制築け

質問する稲津氏=5日 衆院第1委員室

稲津久氏 教職員の派遣要請に応じて38人が石川県に派遣されたが、要請から2週間を要した。災害時に教職員を迅速に派遣できるシステムを平時から備えておく必要がある。被災地の学校支援や子どもの心のケアのため、教員や心理学の専門家、大学、NPOなどの官民連携による支援チーム「教育版DMAT(災害派遣医療チーム)」を創設するべきだ。

首相 そういった考え方は重要だ。国として、どのようなことができるか考えたい。

稲津 介護従事者などの県内外からの派遣が進められつつあるが、災害関連死を防ぐためにも増員が急務だ。在宅訪問介護などで応援体制を早く整備する必要がある。地域の情報も整理した上で、介護支援専門員(ケアマネジャー)や理学療法士などを含めた体制を構築すべきだ。

武見敬三厚生労働相 介護が必要な在宅避難者を把握する仕組みをどうつくるかが重要だ。避難所や在宅を問わず、きめ細かく支援が行き届くよう、取り組みを進めたい。

介護
「訪問」の報酬加算、簡素な制度に

稲津 介護従事者の賃金アップへ政府は24、25年度のベースアップ措置を決めたが十分と言えるのか。少なくとも全産業に追い付くことが必要だ。今回の介護報酬改定では、訪問介護の基礎報酬が下がる一方で、処遇改善加算が上がるが、加算には(手続きが)煩雑でハードルが高いとの意見もある。思い切って簡素な制度にして、できるだけ早期に加算を受けられるようにすべきだ。

首相 訪問介護については、事務の簡素化などの観点から処遇改善加算を一本化する。

稲津 介護人材の確保策で問われているのは実効性と施策の具体化だ。「介護人材確保トータルプラン」のような計画を策定して戦略的に取り組むべきだ。

首相 これまで以上に計画的な取り組みの推進が重要だ。総合的な対策を強化したい。

「こども誰でも通園」保育士の確保へ

稲津 親の就労の有無にかかわらず保育施設を利用できる「こども誰でも通園制度」を進めるには、保育士の確保が課題だ。家庭的保育者や保育補助者の本格導入を提案したい。潜在保育士に対し、自治体などが研修を行い、保育所の人員を確保していくべきだ。

首相 家庭的保育者や保育補助者などの活用も含めて検討を深めていきたい。

稲津 保育士の賃金は過去10年間で23%改善しているが、施設に支給された処遇改善費が賃上げに充当されているか確認する仕組みが必要だ。

こども政策担当相 「こども未来戦略」で法定化を盛り込んでおり、透明性の向上を図る。

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