ニュース
能登地震 お風呂で心も体も癒やして
「宝湯」4代目 営業再開へ前を向く
がれきの下から源泉、一筋の光明に
壊滅的被害の石川・珠洲市
激震や津波で街が壊滅的な被害に遭った石川県珠洲市。能登半島の北端、同市宝立町にある「珠洲温泉 宝湯」も例外ではなかったが、この場所でいちるの希望を見いだし、前を向く公明党員の姿を追った。=能登半島地震取材班
100年以上前に産声を上げた宝湯は地域の銭湯として親しまれてきたほか、宿泊施設として観光客にも利用されてきた。4代目の経営者・橋元宗太郎さん(40)は、元日も通常通り午後3時から銭湯を開けた。
夕刻、「長い揺れで地球が壊れたかと思った」ほどの激しい地震が直撃した。公衆浴場部分の本館は倒壊、自宅も失った。別館の宿泊施設は津波で床下浸水したが、かろうじて倒壊は免れた。
家族の安全が確認できた一方で、多くの知人の訃報に接した。中でも、心を痛めたのは公衆浴場で犠牲者が出たことだ。発災時、常連客の男性Iさんが入浴中だった。
一瞬で街も変わり果て、事業継続を諦めかけていた1月中旬、橋元さんは倒壊した本館の中から“一筋の光明”を目にする。
公衆浴場のがれきの下をのぞいて見たところ、以前は地下深くからポンプでくみ上げていた源泉が、地震の影響で湧き出ていたのだ。「これなら何とかできるかもしれない」。橋元さんは早速、源泉をホースで別館の宿泊施設につなぎ、家族風呂の浴槽で利用できるようにした。
営業再開に先立ち、橋元さんは2日午後、亡くなったIさんの遺族を招いた。「一番最初に入ってほしい」との思いからだった。Iさんの孫やひ孫は「時間を気にせず入れて良かった。また来ます」と笑顔をほころばせた。
橋元さんは今、別館の一角を近くで被災し営業できなくなった美容師の岸田孝子さんに提供。この場所は地元住民へのボランティアカットの場になっている。
珠洲市は公明党議員がいない空白区。「大変な時だからこそ、大きく変わるチャンス」と、橋元さんは心に決めている。「被災者や災害支援のボランティアの人たちに、温泉に入って心も体も癒やしてほしい」。温泉は今週中にも再開させるつもりだ。










