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【主張】女性と安全保障 平和構築に指導的立場で貢献を
国連は現在、武力紛争の予防から解決に関する意思決定の場に、女性の参加を増やすよう加盟国に訴えている。
これは、女性を戦争の犠牲者として保護するだけでなく、平和をつくる主体者として位置付ける考え方に基づいている。
上川陽子外相は先月末、この国連構想を実現させるため、外務省内にタスクフォース(作業部会)を設置した。新たな人材で安全保障の新展開を期待したい。
国連は2000年10月、「女性・平和・安全保障(WPS)」に関する初の安全保障理事会決議1325を全会一致で採択。これまでにWPS関連の安保理決議は10本を数え、昨年4月までに日本を含む107の加盟国がWPS行動計画を策定している。
日本は現在、第3次行動計画(23~28年度)を実施中だ。紛争に悩む国での和平交渉や人道復興支援の場で、女性差別撤廃や女性のための能力強化支援などを推進すると同時に、国内の取り組みとして、外交・安全保障に関わる意思決定過程への女性の参画も推進している。外務省のリーダーシップが注目される。
作業部会の初会合で上川外相は「女性が指導的な立場に立って、紛争の予防や復興、平和構築に参加することで、より持続的な平和を達成できる」と訴えた。確かに、15年に公表された海外の研究によると、和平合意の策定に女性が参加すると、その合意が15年間保持される確率が35%高くなるとのデータもある。
和平合意から紛争の再発防止への取り組みは従来、「紛争後の平和構築」と呼ばれてきたが、16年採択の安保理決議2282は、平和構築を紛争後だけでなく、紛争予防から紛争中をも視野に入れた画期的な内容になっている。同決議はこの広範な平和構築を新たに「持続的な平和」と呼び、国連全体の責任で取り組む必要性を強調した。
「持続的な平和」には軍事の他に開発支援や人権保障の知見も不可欠だ。女性の幅広い視点の活用が求められている。









