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2024年2月2日

石井幹事長の衆院代表質問(要旨)

能登半島地震
住宅の応急修理、期間を延長せよ

代表質問する石井幹事長=1日 衆院本会議場

能登半島地震の被災地では厳寒の中、いまだ多くの方が不自由な避難生活を余儀なくされている。政府は、災害関連死を断固防ぐため、全ての避難所への支援物資の責任者を明確化し、避難者のニーズにきめ細かく十分に応えられるよう万全を期すとともに、感染症や持病の悪化などを防ぐため、医療・介護・保健体制を強化し、バリアフリーの仮設トイレの設置など、避難者に寄り添った避難所の環境改善に官民の総力を挙げて不断に取り組むべきだ。

また、在宅避難、自主避難、2次避難などをされている人へ状況に応じた支援も課題であり、行政サイドから積極的に訪問するなどアウトリーチ型の見守り・相談支援の継続的な実施が重要だ。

加えて、能登地域で被災し、子どもや親戚宅に避難している高齢者が要介護状態になったにもかかわらず、金沢市内など、避難している地域で介護施設の受け入れ限度を超えてしまっている現状がある。県外からの介護職の応援も喫緊の課題であり、広域的な対応・支援を進めるべきだ。

発災後1カ月たった今なお約4万戸(1月30日現在)の断水が続き、被災者の健康維持ならびに復旧・復興の最大の足かせとなっている。早期断水解消に、全力を尽くすべきだ。

被災者の生活再建

被災者の生活再建の大前提は罹災証明書の発行だが、いずれの被災市町村においても本格的な発行は始まっていない。

被災者生活再建支援法の適用をはじめ、さまざまな支援メニューを受ける条件が罹災証明書となっている。早期発行を可能にするには、一軒一軒の家屋調査を前提とせず、被災地域単位で全壊地域と認定するなど、発行手続きを大胆に簡素化し、被災者の生活と、なりわい支援を前に進めるべきだ。

被災者の生活再建の第一歩は、家屋の解体・撤去、修理や建て替えだ。被災地域の特性から、家屋のみならず納屋、車庫などの解体・がれき処理の費用も公費負担と認めるよう強い要望がある。空き家の解体・がれき処理についても公費負担が必要であり、政府として早期に決定すべきだ。

住宅の応急修理は、災害救助法で「1世帯当たりの限度額は70万6000円以内」「応急修理の期間は、災害発生の日から原則3カ月以内に完了すること」と定められているが、近年の資材高騰から限度額を引き上げること、また、被災地の実情に照らし適用期間の延長は必要不可欠だ。

仮設住宅の建設も急務だ。被災者の多くが高齢者であり、住宅の再建が容易ではなく、寒冷地対応で、かつ恒久的な住宅として払い下げできるスペック(仕様)の仮設住宅の建設を進めるべきだ。内灘町をはじめ液状化被害が著しく、住宅の再建が困難な地域の再生についても、政府を挙げて対応することが必要だ。

政治改革
収支報告書の虚偽記載など「連座制」の導入重要

政治資金パーティーの収入について、収支報告書に適切に記載されないまま、多額のキックバックがなされていた問題が発覚し、逮捕者が出るなど政治に対する国民の信頼は著しく損なわれている。政治改革は待ったなしの状況だ。

公明党は、このような問題を二度と繰り返さないために、カネの流れの透明化と罰則の強化を柱とする「公明党政治改革ビジョン」を1月18日に発表した。

ビジョンでは、政治資金の透明性の強化を図る具体案として、パーティー券の購入について、収支報告書に記載する基準を、現行の20万円超から、5万円超まで引き下げ、全ての入金を口座振り込みのみとすること。さらに、一部の政党で議員に支払われている「政策活動費」の使途公開とともに、国会議員に毎月支給される「調査研究広報滞在費」については、使途明確化、使途公開、未使用分の国庫返納を行うこと。政治資金を監督する第三者機関の設置や、誰もが簡単に閲覧できるよう、収支報告書のデジタル化の促進も掲げている。

収支報告書について、国会議員などの代表者に、適法に作成されていることの確認書の提出を求め、虚偽の記載などがあった場合、秘書などの会計責任者だけではなく、監督責任などを怠った議員などの代表者も罰金刑と公民権を停止する「連座制」を導入し、罰則の強化を図ることも極めて重要だ。今こそ、国民の政治への信頼を取り戻すため、派閥の解消にとどまらず、政治資金規正法の改正に、与野党の枠を超えて取り組むべきだ。

物価高対策、経済政策
賃上げへ中小に稼ぐ力

物価高による家計への影響が続いている。賃上げや所得向上の流れができるまで、しっかりと家計を支える対策が重要だ。既に昨年の補正予算で措置した住民税非課税世帯に対する7万円給付が順次開始されているが、まだおよそ半数程度の自治体の実施にとどまる。速やかな支給が望まれる。今後はこれに続いて、低所得者の子育て世帯に子ども1人当たり5万円の追加給付を、また、住民税均等割のみ課税されている世帯などに対しては10万円を給付する。

6月以降には1人当たり4万円の定額減税を実施し、減税分を引き切れない方には差額を給付で補てんすることとする。物価高での暮らしに大きな安心を与える支援策になると期待している。

しかし、制度が複雑で“自分はいつ・いくら支援を受けられるのか”が分かりにくいとの指摘もある。支援の見通しが立つことは生活の安心につながる。例えば、関係省庁や各自治体などの情報を統括し、支援の全体像や個別の相談先を分かりやすく紹介する「まとめサイト」の作成など、国民に分かりやすい広報をぜひともお願いしたい。

この際、現在、国で開発している、申請から給付までのプロセスをデジタルで完結できる「給付支援サービス」の導入を一気に進め、全国の自治体における給付金の迅速な支給体制の確立や住民からの質問に直接回答する「問い合わせセンター」の設置に向けた改革に取り組んでいただきたい。

デフレ完全脱却へ最も大事なことは、物価上昇を上回る持続的な賃上げだ。特に、中小企業が賃上げを継続できる環境整備が喫緊の課題だ。

公明党は昨秋「中小企業等の賃上げ応援トータルプラン」をまとめ、20の具体策を政府に提言した。企業の稼ぐ力を強化し、賃上げの原資をつくろうとする施策が徐々に動き出している。人手不足解消、生産性向上への設備投資に役立つと期待の声が大きいのが、製品を「カタログ」形式で簡単に選択できる「省人化投資補助事業」だ。昨年末発表の労務費転嫁のための指針も含め、中小企業の現場で十分に活用され、効果が最大限に発揮できるよう着実に推進していただきたい。

これらの施策を価格転嫁や生産性向上などに確実に結び付けるには、省庁横断的に政府一丸となった取り組みが欠かせない。

物流24年問題、荷主の監視強化

物流では、2024年4月から時間外労働の上限規制が適用されると、30年には34%の輸送量が不足し「物が届かない」という混乱に陥る危険性がある。あしき商慣行見直しをはじめ、標準的運賃引き上げ、人手不足解消、生産性向上などに、総力を挙げて真剣に取り組むことを求める。

下請けになればなるほど手数料が引かれ、運賃が安くなる「多重下請け構造」にも対策を講じる必要がある。さらに、ドライバーの業務環境改善のため、トラックGメンによる荷主・元請けへの監視を強化し、悪質な企業は社名を公表するなどの対応を取るべきだ。

建設業においても、4月から時間外労働の上限規制が始まるが、公共工事設計労務単価をさらに引き上げるとともに、適切な労務費や賃金の行き渡りの担保を確保すべきだ。また、適切な工期設定と施工時期の平準化を図るとともに、週休2日、4週8休の取得促進、ICT(情報通信技術)を活用した生産性向上への支援など、働き方改革も進める必要がある。

政府は、こうした内容を含む法改正を予定している。確実に実行すべきだ。

社会保障
子ども政策、財源の説明、丁寧に

政府は昨年、「こども未来戦略」を決定し、こども政策の加速化プランを初年度となる今年から3年をかけて実施する。加速化プランでは、児童手当の大幅拡充、高等教育費の負担軽減、育児休業制度の拡充などに加え、公明党が一貫して推進してきた、ひとり親家庭への支援や子どもの貧困対策、障がい児支援などさまざまな困難を抱える子どもや家庭に対する支援も強化されている。

これらを実現するため、財源確保は不可欠だ。政府は財源について、まずは歳出改革の徹底や既定予算の最大限の活用によって捻出し、さらに26年度から新たに導入される支援金制度によって確保するとしている。一方、この支援金制度は、全世代が加入する医療保険制度を活用し広く国民から支援金を徴収するとしているが、政府は、少子化対策の財源について「実質的な国民負担は生じない」としている。

少子化対策の財源確保に向けた支援金制度の必要性とともに、実質的な負担が生じないことなどについて、国民が納得できるよう丁寧で分かりやすい説明をお願いする。

仕事と介護の両立

こども未来戦略では「共働き・共育ての推進」として、育児休業給付を最大28日間は手取りで8割相当から10割相当へ引き上げるなど、育児休業制度を抜本的に強化するとしている。ぜひ今国会で育児・介護休業法の改正を行うべきだ。

介護と仕事の両立支援も重要な課題だ。介護離職防止のため、介護に直面した全労働者に、事業主が個別に制度を周知したり、介護休業などを利用する意思を確認することが重要だ。介護と仕事を両立するため、労働者がテレワークを選べるようにすることも有効だ。

リスキリング支援

賃上げを一過性のものとせず「構造的賃上げ」を実現するには、リスキリング(学び直し)による能力向上への支援をさらに強化することが有効だ。教育訓練給付の拡充とともに、教育訓練期間中の生活を支える新たな給付・融資制度の創設など、労働者一人一人が主体的にスキルアップできるよう、制度の充実に取り組むべきだ。

日本版DBS導入

政府は現在、子どもと接する職業に就く人に性犯罪歴がないことを確認する「日本版DBS」の導入に向けた制度設計を進めている。大事なことは、一つは「刑の消滅」を定める刑法第34条の2の規定にかかわらず、子どもに対する性犯罪などの記録は性犯罪歴証明に記載すること、二つは学校や保育所はもちろん学習塾、スポーツクラブなど民間教育施設も幅広く「日本版DBS」の対象にすることだ。

再犯を防ぐ観点を含め、初犯から性犯罪を防ぐ総合的な取り組みも必要だ。

認知症施策

今年1月、公明党が主導してきた認知症基本法が施行された。今後、政府は認知症基本法に基づく基本計画を策定するが、本人や家族らの意見を十分に踏まえた計画としていただきたい。認知症の人の居場所や社会参加の機会の確保に全力を挙げていただきたい。地域で認知症の人やその家族を支える仕組みづくりを進めるとともに、仕事と介護の両立支援を強化することが重要だ。

福島復興、防災・減災
風評・風化対策、政府一体で

政府は今月、昨年の福島県大熊町と双葉町に続き、浪江町の復興再生計画を認定した。帰還困難区域への住民帰還に向けた第一歩であると評価する。スピード感を持ち、着実に除染とインフラ整備を進めることが重要だ。

原発事故の風評・風化は今なお続いている。多核種除去設備(ALPS)処理水の海洋放出に伴う風評被害には、国内外に向けた透明性の高い情報発信を強化すべきだ。

若い世代や子どもへ科学的根拠に基づいた分かりやすい情報発信が必要で、政府によるSNSでのプッシュ型広告の活用、放射線教育副読本などを活用した教育現場での学びを全国で一層広げるべきだ。震災の記憶や教訓の伝承を通して風化対策も重要だ。政府一体となって連携して風評・風化対策を進めるべきだ。

学校の老朽化対策

文部科学省によると、全国の公立小中学校の約半数の施設が築40年以上経過し、うち約7割が改修を必要としており、15年度から昨年11月までに発生した外壁落下は38件に上った。

地方公共団体は修繕や建て替えを計画的に進めているところだが、今後の国土強靱化に関する政府の指針となる「国土強靱化実施中期計画」に、学校施設の老朽化対策を位置付け、しっかり対策を進めていくべきだ。

外交など

ロシアによるウクライナ侵略は長期化し、開始から間もなく2年を迎えようとしている。2月に日本で開催予定の「日・ウクライナ経済復興推進会議」も活用し、日本政府として、ウクライナへの人道支援や復旧・復興支援を引き続き力強く進めていただきたい。

ガザ地区ではイスラエル軍とハマスとの戦闘が続いている。人道状況の改善と事態の早期沈静化は最優先課題だ。そうした中、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のスタッフがイスラエルへのテロ攻撃に関与したとの疑惑を受け、日本を含む主要ドナー国が資金拠出を一時停止する事態になっている。同機関のガバナンス強化を求めるとともに、結果としてガザの人々の命が脅かされることがないようにしなければならない。

日中関係の強化

首相は昨年11月、中国の習近平・国家主席との首脳会談で、「戦略的互恵関係」の包括的推進と「建設的かつ安定的な関係」の構築について再確認し、各種対話の再活性化についても一致した。

わが党の山口那津男代表もその直後に訪中し、蔡奇政治局常務委員や王毅政治局委員と今後の日中関係のあり方について議論を深めた。その際、首脳会談のフォローアップに関する習主席宛ての首相親書を届けたが、後日、習主席から返書があり、両国首脳のさらなる意思疎通の強化を後押しできたと考えている。

今後、政府のみならず、政党、議会、地方、文化、観光などの幅広い分野において対話と交流を拡大し、2国間関係の課題に限らず、気候変動などのグローバルな課題についても成果を積み上げていくことが重要だ。

マイナ保険証

政府は、今年12月に現行の健康保険証を終了し、マイナ保険証を基本とする方針を決定している。現行の保険証が終了するまでの移行期の対応が重要だ。終了後最大1年間は、現行の保険証も使用可能であること、マイナ保険証をお持ちでない人には資格確認書を発行することなど正しい情報発信とともに、全ての方が安心して保険診療を受けられるよう、きめ細かな対応が求められる。

国民にメリットや必要性を実感していただけるよう、関係省庁や医療機関などと連携し、利用しやすい環境づくりに努めてもらいたい。

外国人技能実習

外国人技能実習制度の運用は、企業側が労働力確保として活用するケースが多いなど、目的との乖離が指摘されており、日本の国際的評価にも影響を及ぼしている。

外国人の人権をさらに尊重し、転籍要件緩和や待遇改善を図るなど健全な労働環境の提供が必要不可欠だ。外国人労働者の人権擁護と労働者としての権利性向上を図るとともに、人材確保や人材育成をより重視した制度を構築すべきと考える。

岸田首相らの答弁(要旨)

【岸田文雄首相】

<能登半島地震>罹災証明書の迅速な発行に向け、全国の自治体から支援も得て、航空写真の活用、リモート判定などによる被害認定調査の簡素化を積極的に取り入れていく。半壊以上の家屋および、これと一体的に行う納屋や車庫の解体・撤去についても、空き家か否かにかかわらず、自治体が住民負担ゼロで行えるよう柔軟に対処する。また、今回の被害の甚大さに鑑み、住宅の応急修理期間を特例的に発災から1年に延長する。

<政治改革>政治資金の透明化、公開性の向上、より厳格な責任体制の確立・厳格化などに各党と真摯な協議を行っていく。政治資金規正法の改正についても、わが党としての考え方もまとめた上で、しっかり議論していきたい。

<物価高対策>定額減税や各種給付金の趣旨・内容について丁寧に周知・広報していく。関係省庁間、地方公共団体との間で連携し、制度全体を分かりやすく説明するホームページを作成する。

<社会保障>こども・子育て支援金制度は、歳出改革と賃上げにより、実質的な社会保険負担軽減効果が生じることから、その範囲内で制度を構築することで、全体として実質的な負担が生じない。

<学校施設の老朽化>国土強靱化実施中期計画の策定に向けた議論で、老朽化対策の位置付けの検討や必要な予算措置などを進める。

<日中関係>先般の山口代表の訪中は、両国の意思疎通強化に資する有意義なものだった。あらゆるレベルでの意思疎通を重ね、日中関係を深化・発展させていく。

【斉藤鉄夫国交相(公明党)】

<物流24年問題>関係省庁、産業界と連携し、持続可能な物流・建設業の実現に全力を尽くしていく。

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