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【主張】教員の長時間勤務 学校の危機打開へ改革急務
受容限度を大きく超える労働環境の実態が改めて浮き彫りになった。学校の危機と言っても過言であるまい。
日本の小中学校教員の勤務超過は世界的にみても異様なことが、経済協力開発機構(OECD)の調査で分かった。
中学校教員の勤務時間は、参加48カ国・地域の平均38.3時間を大幅に上回る最長の週56.0時間。小学校教員も週54.4時間と、やはり“断トツ”の長さだった。
勤務時間を長くしているのは、部活動など本業外の仕事の多忙さと煩雑さだ。
中学校では授業時間そのものは参加国・地域の平均20.3時間より短い週18.0時間なのに、部活動などの「課外活動指導」は週7.5時間(参加国・地域平均1.9時間)、「事務業務」も週5.6時間(同2.7時間)に上る。
一方で、教員が専門性を高めるために費やす「職能開発」(研修)参加の時間が極端に少ないことも分かった。中学校で週0.6時間、小学校でも週0.7時間にすぎず、いずれも参加国・地域で最短だ。背景に部活動などの多忙さがあることは言うまでもない。
大きすぎる教員の負担は、「ブラック職場」というイメージを増幅させ、教員志望者の減少を招いている。このままでは人材が先細りし、教育の質の低下につながりかねない。抜本的な改革が急がれる。
気になるのは、文部科学省と学校現場との間に見え隠れする認識のズレだ。
早い話、昨年2~3月に行われた今回の調査に先立ち、文科省は部活動指導の外部委託促進など教員の働き方改革に向けた提言をまとめていた。だが、調査結果にその効果を見出すことはできない。読み取れるのは、一向に改善が進まない学校現場の実態と提言の空回りだけである。
今年1月、文科省が教員の残業の上限を「月45時間・年360時間」とする指針をまとめた際もそうだった。残業削減の道筋が見えない指針に、「机上の空論」と批判する学校関係者は少なくなかった。
子どもの教育のために何を守り、どこを削るか。この視点に立って、教員定数から予算措置、部活動のあり方などに至るまでを子細に点検し、実効性ある具体策を大胆に展開していってほしい。









