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心一つに「がんばろう能登」
園児の合唱でエール
金沢市
能登半島地震で石川県の能登地域を中心に、避難生活を送る被災者にエールを送ろうと、金沢市内にある認定子ども園「みずきこども園」で22日、公明党員の平寿彦さん(76)が制作した「がんばろう能登」(縦1メートル、横2メートル)の看板を前に、園児27人が歌と絵を披露した。
〽みんな それぞれ助け合う 小さな世界――。能登地域の被災者に届くように、園児たちは大きな声で童謡『小さな世界(イッツ・ア・スモール・ワールド)』を合唱した。皆が笑顔で手を取り合う様子を描いた絵を持ちながら。
能登半島地震を受け、義援金や被災地応援イベントの開催など、国内外から多くの支援が被災地へ寄せられている。「『世界が能登を応援している』と伝えたい。苦しんでいる被災者への勇気と希望になれば」。平さんは「がんばろう能登」の看板を制作し、交流のあるこども園の園児たちとの応援イベントを企画した。園児が作成した絵は後日、能登地域の避難所などに届ける予定だ。
合唱に先立ち、あいさつした平さんは、園児に呼び掛けた。「能登では、みんなと同じくらいの年代の子どもたちも地震に遭って、お友達と会えずにいます。みんなの歌声で『頑張って』『諦めないで』という思いを届けましょう」
合唱に参加した南條晃芽ちゃん(6)と、中尾秋音ちゃん(6)は、「みんなに元気になってほしいです」と、優しい気持ちを表現した。
党員が企画、看板とタスキも
1日の発災時、平さんは心配を募らせた。最大震度7を記録した石川県志賀町に長男の嫁の実家があるからだ。翌2日の明け方に現地へ急行。土壁や家具が倒れた家の中で、ぼうぜんと立ちすくむ家族を見舞い、片付けを手伝った。「避難生活が続く大勢の被災者を励ませないか」。被災者に寄り添う心が行動を生んだ。
全国こども見守りボランティア協議会で代表理事を務める平さんは現在、毎朝の登校時に「がんばろう能登」のタスキを肩に掛け、地元・木越地域の横断歩道に立つ。金沢市北部に位置する同地域には能登出身者が多く、平さんは「一緒に復興を願っていこう」とのメッセージを送る。
平さんの活動はメディアを通じて能登地域に住む知人に伝わった。「よくやってくれた! ありがとう」。何とか励ましを送りたいとの気持ちが届いた。今後、金沢駅前や近江町市場などで救援募金も予定している。











