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人材育成は最重要課題
虐待防止へ山本さん 改正案、参院委で可決
質問する山本さん=18日 参院厚労委
参院厚生労働委員会は18日、児童虐待防止対策を強化するための児童福祉法等改正案を全会一致で可決した。採決に先立ち、首相入りの質疑で公明党の山本香苗さんは、札幌市で2歳児が衰弱死した事件に言及。児童相談所(児相)がリスクを適切に判断できていなかったとして、専門人材の確保・専門性向上を「最重要課題に」と強調した。
安倍晋三首相は、必要な経験を積むための人事のあり方などについて「今後、設定する予定の地方自治体との協議の場で、最重要課題の一つとして、しっかりと協議する」と表明した。
山本さんは、人材育成に加えて「即効性ある施策も必要だ」と主張。児相が有識者や経験豊かな他の児相職員から助言を受けられる仕組みを提案した。根本匠厚労相は「アドバイザーをリスト化し、自治体の希望に応じて派遣できる仕組みを作る」と答えた。
また山本さんは「虐待の背景には孤立した子育てがある。社会全体での見守りが極めて重要だ」と力説。官民や民間同士の連携に向け、子育て家庭を支援するさまざまな取り組みを「見える化」し、全国的なネットワークを構築するよう訴えた。根本厚労相は「提案を踏まえ、関係府省と連携して検討する」と明言した。