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“名古屋駅までのバス”が実現
名古屋市
「実現するとは夢にも思わなかった」――。名古屋市中川区江松に住む日野悟助さんが笑顔で語る。この地域の国道1号に10月、三重交通の新たなバス停「江松」ができたからだ。
地域には市営バスの「江松」停留所があるが、名古屋駅周辺に向かうバスはない。名古屋駅まで行くには、名古屋駅行きが出るバス停まで約15分歩くか、バスで地下鉄や近鉄の駅に行くしかなかった。これらのルートだと名古屋駅まで行くのに約1時間かかっていた。20年前、日野さんは自治会長らとともに、名古屋駅に向かうバスの運行を市に求める署名運動を行った。
公明党の木下優市議も市役所に同行し、約1000人分の署名を提出したが実現せず、住民らは諦めていた。この時の無念さは木下市議の心に残っていた。
市は昨年2月、市営地下鉄やバスに無料で乗れる「敬老パス」の対象路線を拡大。三重交通バスの市内運行区間が加わった。木下市議は、三重交通のバスに、江松を通って名古屋駅方面に向かう路線があることを知り「敬老パス拡大に合わせて、江松地域にバス停を新設してほしい」と同社に要望した。これを受け同社はバス停新設を検討した結果、10月のダイヤ改正に合わせて実現した。名古屋駅までの所要時間は39分になった。日野さんは「地域の皆さんが木下さんに感謝している」と喜んでいた。