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2023年12月9日

【主張】食料安全保障 不測の事態の供給確保に万全を

大雨、熱波など異常気象の頻発化やロシアによるウクライナ侵略をはじめ、食料供給を不安定化させるリスクが世界的に高まっている。不測の事態に備え、政府は食料を確保する体制を万全に整えねばならない。

農林水産省の有識者検討会は6日、凶作や輸入の途絶といった食料危機に備えた対応策をまとめた。対象品目は、主にコメや小麦、大豆、鶏卵、食肉のほか、生産に必要な肥料や飼料などを想定している。

柱の一つは、食料が不足する恐れが生じた場合に首相をトップとする政府対策本部を設置し、生産者らに食料確保の要請や指示などを行うことだ。食料の安定供給を図る食料安全保障の強化は、公明党が政府に一貫して提言してきた。

検討会は緊急時の食料供給に関して、現行制度では品目や場面が一部に限られる上、政府全体で取り組む仕組みがない課題を指摘した。対応策を踏まえ、政府は来年の通常国会で関連法案の提出をめざす。

対応策で特徴的なのは、食料危機の深刻度に応じた取り組みを示した点だ。

平時には国内外の食料需給に関する情報を収集し、供給不足が予想される場合は政府対策本部を立ち上げ、生産者や商社などに出荷・販売の調整や増産・輸入拡大を要請するとした。

また不測の事態の目安を2段階に分け、まずコメなど対象品目の供給量が2割以上減るなどした場合は、政府が生産者らに食料の増産などの計画作成を指示する。さらに深刻化して、国民が摂取できるエネルギー量が1人当たり1日1900キロカロリーを下回る恐れがある場合は、イモなどカロリーの高い作物の生産を要請・指示することを検討する。

対応策には生産者らを対象にした、政府の指示に従わない場合の罰則規定や、損失補償を含む補助も盛り込まれている。当事者の幅広い理解と協力を得られる制度にすることが重要だ。

昨年度の日本の食料自給率(カロリーベース)は38%で、輸入の依存度は高い。政府には実効性の高い対策を急ぐよう強く求めたい。

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