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「老後2000万円」問題
「不適切」と金融庁謝罪
「100年安心」の年金は安定
「人生100年時代」を見据えて、老後生活の資金が2000万円不足するとした金融庁金融審議会の報告書を巡り、国民に誤解と不安が広がっている。
同報告書は、高齢社会における資産形成・管理について有識者の考えをまとめたもの。問題なのは、老後に必要とする生活水準や資産状況が個々に応じて異なる中で、高齢夫婦無職世帯における老後の生活資金が「月5万円」「30年で2000万円」赤字であるかのように表記した点だ。
金融庁は、14日の衆院財務金融委員会で、報告書の表現は「不適切だった」と釈明し、「配慮を欠いた対応であり、反省するとともに、深くおわびする」と謝罪した。
一方で、立憲民主党など野党は同報告書にかこつけて、「100年安心」の年金制度が、あたかも崩壊しているかのように批判している。しかし、貯蓄や資産のあり方を含めた人生100年時代の過ごし方の問題と、年金制度の「100年安心」とは別次元であり、野党の批判は全く当たらない。
年金制度については、2004年に、公的年金が将来にわたって機能するよう、公明党の主導で改革を行った。
具体的には、保険料の上限を固定し、その範囲内で給付水準を調整する「マクロ経済スライド」を導入。さらに、基礎年金の国庫負担分を2分の1に引き上げ、年金積立金を100年かけて取り崩す仕組みを整えた。
こうした枠組みの下で「長期的な、100年間の財政均衡を取り続ける形で運営されている」(厚生労働省)。制度は全く揺らいでいないのが実態だ。
公明党の山口那津男代表は11日の記者会見で、「レッテルを貼って、保険料納付をちゅうちょする人が出るような、年金不安をいたずらにあおる言動は罪深い」と厳しく指摘している。