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2023年12月5日

男女の賃金格差是正へ

効果上げる公表義務化

男女の賃金格差の是正に向けた取り組みが進んでいる。厚生労働省は昨年7月、301人以上の従業員がいる企業に、男女の賃金格差の公表を義務付けた。女性の就労環境の改善につなげることが狙いだ。義務付けから1年余りが経過し、格差解消に取り組む企業を紹介するとともに、公明党の取り組みや今後の課題について党女性局長の佐々木さやか参院議員に聞いた。

従業員301人以上の企業が対象

G7における男女の賃金格差

厚労省は、女性活躍推進法に関わる省令を改正し、男女賃金格差の公表に取り組んでいる。上場か非上場かを問わず、従業員301人以上を常時雇用する企業に、男性の平均年間賃金に対する女性の平均年間賃金の割合(以下、男女賃金格差)を開示させ、自社や同省のホームページなどに公表するよう求めている。公表は正規だけでなくパートなど非正規の雇用も含む。

日本の男女賃金格差は世界的にみても大きく、その解消は急務だ。経済協力開発機構(OECD)の2020年調査などによると、フルタイム就労者について男性賃金の中央値を100とした場合、日本の女性は77.5にとどまり、22.5ポイントの開きがある。先進7カ国(G7)では最も格差が大きい。

厚労省による22年の賃金構造基本統計調査をみても、フルタイムで働く女性の所定内給与は月額25万8900円で、男性(34万2000円)の約76%にとどまっている。

男女賃金格差が生まれる背景には、女性の管理職や高収入の専門職が少ないこと、また、男性よりも女性の勤続年数が短いことなどがある。格差解消には、開示義務化をきっかけに企業が就労環境の改善に取り組むかが鍵といえる。

女性管理職増、働き方改革、正社員復帰支援など進む

今回の省令改正で男女賃金格差を公表し、女性支援に取り組む企業の一つが株式会社丸亀製麺(東京都渋谷区)だ。

同社は22年時点で、正規と非正規を合わせ約2万人が働き、このうち正規については男性が618人、女性は198人で、男女賃金格差は78.3だった。格差の要因について同社は、現場担当部門(営業)に女性管理職が1人もいないためと分析し、今年3月から女性管理職を設け、格差縮小に取り組んでいる。

同社では中長期的な観点から女性管理職を増やすため、短時間勤務などの柔軟な働き方を推進するとともに、管理職をめざす人が必要な知識やノウハウを学べる勉強会を開催するなどキャリアアップ支援にも力を注いでいる。

同社を運営する株式会社トリドールホールディングスの古川雅代課長は「男女の賃金格差を示すことで、社の課題が浮き彫りになった。キャリアアップ支援などを通じ女性が活躍できる職場づくりをさらに進めていきたい」と力を込める。

300人以下の企業に公表義務はないが、自社の課題把握や対外的アピールを目的に男女賃金格差を公表したのは三承工業株式会社(岐阜市)だ。

建築・土木など総合建設業の同社は22年時点で、正規と非正規を合わせ67人の従業員がおり、このうち正規についは男性が30人、女性は20人で、男女賃金格差は79.8だった。格差解消へ同社は、女性管理職の増員のほか、短時間勤務や就労時間を弾力的に設定できるフレックスタイム制を推進。子どもと一緒に出勤できる「カンガルー出勤」のサポート体制強化にも努めている。

出産や子育てを機に非正規を選択した人には、正社員の復帰に向けどのようなサポートが必要かなどを話し合う面談も実施。円滑な復帰へ本人に寄り添った、きめ細かな支援を行っている。

同社ダイバーシティ推進室の神田純代室長は「男女の賃金格差は肌感覚で感じていたが、今回の計算で確認できて良かった。子育てや介護などライフイベントに応じて多様な働き方ができるよう、引き続き環境改善に取り組んでいきたい」と語っている。

さらなる処遇改善に全力

党女性局長 佐々木さやか 参院議員

男女の賃金格差を“見える化”することで、所得向上など働く女性の処遇改善につなげていくことが大切だ。女性管理職の登用拡大や妊娠や出産を迎えても雇用が守られる体制づくりを正規、非正規を問わずしっかり進めていく。

これまで公明党は女性が活躍できる環境整備を一貫して推進。22年1月の衆院予算委員会では女性活躍推進法の枠組みを活用した男女賃金格差の開示を検討すべきと訴え、岸田文雄首相から「(開示できるよう)制度の見直しを具体的に検討し、速やかに着手していく」との答弁を引き出した。今年5月には「すべての女性のためのトータルプラン」を政府に提言し、さらなる格差の是正や女性の経済的自立支援を訴えている。

多くの企業の格差解消へ、今後は就労者が300人以下の企業でも公表が求められる。公明党はこれからも、女性が輝く社会の実現に全力で取り組んでいく。

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