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コラム「北斗七星」
きょうの勤労感謝の日を含む11月は、過労死の予防を啓発する月間だ。2023年度の「過労死等防止対策白書」を見ると、22年度に労災認定された民間雇用労働者の過労死(54件)や過労自殺(67件。未遂含む)は、減っているものの少なくはない。コロナ禍などによる人手不足を背景に、今後増大する懸念もある◆もう四半世紀以上前になるが、政治記者として国会を中心に取材していた頃、深刻な過労死問題を追いかけ、さまざまな関係者や遺族の声を聴き、記事にしていた◆当時、過労死労働者の遺族の会による「勤労感謝の日に過労死を考える集い」が開かれ、公明党議員も参加し連帯のあいさつを行っていた。関係者の努力や、その努力を受けた国連社会規約委員会の政府勧告もあり、14年に過労死等防止対策推進法が制定され対策は一歩進んだといえるものの、課題は少なくない◆有名劇団団員の死亡事件でも問題が指摘されたが、厚生労働省は先日、これまで限定的だったフリーランス労働者の労災保険特別加入を促す制度を導入する方針を示した。働く人全てが安心して就業できる環境作りへ、公明党が一貫して働き掛けてきたことであり、実効ある制度化をめざしたい。(唄)