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【主張】政府の総合経済対策 持続的な賃上げで好循環実現を
長引く物価高の克服へ、国民の暮らしを下支えするとともに、持続的な賃上げを実現して経済の好循環を生み出さねばならない。
政府は2日、デフレからの完全脱却に向けた新たな総合経済対策を決定した。物価高に苦しむ国民に経済成長の成果を還元し、その上で低賃金や低成長が続くデフレの悪循環を一掃して、成長型の経済構造に転換するための対策である。
柱は▽物価高対策▽持続的な賃上げ▽国内投資の促進▽人口減少対策とデジタル社会への変革▽防災・減災――の五つ。給付や減税など盛り込まれた具体策の実行に必要な補正予算の編成・成立や税制改正に向けた合意形成を急ぎたい。
経済の好循環実現の鍵を握るのは、雇用の7割を占める中小企業の賃上げだ。
物価上昇を上回る賃上げが国民に広く波及すれば、家計の購買力が増し、企業の収益増につながる。その結果、企業には新たな投資や賃上げの原資が生まれ、好循環のスタートになることが期待される。しかし、多くの中小企業は資金的な余裕がなく、賃上げが進んでいないのが実情だ。
そこで経済対策では、中小企業が労務費を適切に転嫁できるよう、価格交渉に関する指針を年内に策定するほか、賃上げ促進税制の強化や生産性向上への新たな支援も行う。公明党の「賃上げ応援トータルプラン」が反映されたものだ。
一方、物価高対策では、国民の可処分所得を拡大するため公明党が提唱していた税収増分の“3つの還元策”が盛り込まれた。来年6月から所得税と住民税を合わせて1人当たり4万円を定額減税し、物価高の影響が大きい住民税非課税世帯には年内にも7万円の追加給付を始める。電気・ガス料金、ガソリン代などの補助は来年4月末まで延長し、自治体が物価高対策に使える「重点支援地方交付金」の増額も行う。
給付実施などの交付金活用に当たっては、各地方議会での速やかな対応が重要になる。公明党のネットワークを生かし、一日も早い実現に全力を挙げていく。