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2023年10月26日

【主張】技能実習の見直し 外国人の人権守る制度創設に期待

少子高齢化と人口減少で人手不足が深刻化する中、外国人労働者は地域経済の支え手となっているが、現行の受け入れ制度には問題点がある。日本で働きたいという外国人が、その能力を最大限に発揮できるよう改善を急ぐべきだ。

外国人労働者の受け入れのあり方を検討する政府の有識者会議は18日、現行の「技能実習制度」を廃止し、新たな制度の創設を求める最終報告のたたき台をまとめた。有識者会議は年内に最終報告書を取りまとめる方針だ。

1993年創設の技能実習制度は、日本で学んだ技能を母国の発展に生かす「国際貢献」が目的だが、働き手不足を補う手段となっている実態との乖離が問題となっていた。また、実習先の転籍を原則認めていないため、雇用主の立場が強くなり、賃金未払いや暴力・パワハラなど人権侵害の要因になっているとの批判がある。制度の抜本的見直しは当然だ。

たたき台では、新制度の目的に「人材確保・育成」を掲げた。受け入れる外国人を「労働者」と位置付け、一定の知識・技能が必要な在留資格「特定技能」1号の水準に3年間で育成。新制度と特定技能制度の対象分野や職種をそろえ、一体的な運用を重視した。中長期のキャリアパス(職歴の道筋・評価)が見えるようにしたことは評価できる。

焦点の一つである転籍は、同じ職場で1年以上働き、一定の日本語能力試験と技能検定試験に合格することを条件に、同一分野内で認めるとした。

外国人の権利保護の観点から転籍しやすくすることは妥当だ。ただ、地方の受け入れ企業には、入国時の渡航費や日本語教育費用を負担した人材が、賃金水準の高い都市部に流出する懸念がある。現場の不安を払拭するよう、今後もさらに論議を尽くすべきだ。

日本で働くには、仕事や日常生活で必要な日本語を修得できる日本語教育の充実も不可欠だ。今回の見直しを、外国人との共生社会の実現をめざす上での契機にしていかねばならない。

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