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【主張】露のCTBT批准撤回 核実験を再開してはならぬ
核実験で核兵器を爆発させたことで、世界各地に被爆者が生み出された。核兵器を保有する米国、英国、フランス、ロシア、中国の5カ国が行った核実験の総数は実に2000回を超え、放射能汚染による深刻な環境破壊をもたらした。
このような惨状を二度と引き起こしてはいけないとの決意を各国が共有し、1996年9月に国連総会で採択されたのが、あらゆる場所での核爆発を伴う実験を禁じる「包括的核実験禁止条約」(CTBT)だ。
CTBTは未発効なので、未批准の発効要件国である核兵器保有国や核兵器開発能力を有する国に批准を求めていかねばならない中、ロシアがCTBTの締約国から離脱しようとしているのが残念でならない。
ロシア下院は18日、CTBTの批准を撤回する法案を全会一致で可決。25日には上院も可決する見通しだ。その後、プーチン大統領の署名を経て、正式にCTBTの批准を撤回する。
そもそも、CTBTの批准撤回を求めていたのはプーチン大統領自身だ。同大統領は5日、核弾頭を搭載できる新型の原子力推進式巡航ミサイル「ブレベスニク」の最終的な発射実験に成功したと表明。今後、ブレベスニクの量産と配備に移るため、核実験も必要になると示唆し、CTBTの批准撤回に言及していた。
ブレベスニクの射程は理論上、無限だという。核弾頭を搭載したブレベスニクの実験が行われれば、放射能汚染による環境破壊を招き、新たな被爆者が生まれる恐れがある。
プーチン大統領は、米国がCTBTを批准していないと批判し、米国と同じになるだけだと主張する。
だが、CTBT未批准の米国と中国に加え、批准したロシア、英国、フランスの核兵器保有5カ国は核実験モラトリアム(自主的な一時停止)を宣言し、CTBTが採択された1996年以降、一度も核爆発を伴う実験を行っていないことを忘れてはならない。CTBTの批准を撤回しても、ロシアは米国と同様、モラトリアムを継続すべきだ。









