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連立政権 公明党がいる安心 識者に聞く “弱者”機軸の政治貫く
生活守る力、非常時に発揮
麗澤大学教授 川上和久氏
自民党と公明党が連立を組んで20年超。公明党は、連立与党の一翼として、生活現場の声を基に政治を動かし、国民に安心感を届けてきた。こうした公明党の取り組みをどう見ているか。識者に聞いた。
――岸田政権発足から2年。現状をどう見るか。
川上和久教授 依然、国内外で「非常時」が続いているという認識だ。コロナ禍が続く中、昨年2月にロシアがウクライナを侵略し、国際社会は激変した。加えて、エネルギー資源や食料が戦略物資となって価格を押し上げ、国民生活を圧迫している。
こうした幾重もの危機と向き合い、対処する難しい政権運営を強いられてきたのが岸田政権の2年間だ。この間も自民、公明両党は、二人三脚で非常時に対応する力を磨いてきた。危機の時代にあって、この力が精錬されていく意義は大きい。
――公明党が果たしてきた役割については。
川上 公明党の役割はとても大きい。この非常時にあって「生活者に寄り添い、守り抜く」という理念を実践し、政策として形にしてきたからだ。非常時の環境変化で最もしわ寄せを受けるのは、社会的に立場が弱い人たち。光熱費や食品価格が多少上がっただけでも、年金生活者や生活保護世帯にとっては切実な問題だ。
公明党の政策立案の機軸は、こうした層の人たちにほかならない。物価高の中、ガソリンや電気・ガス代の負担軽減を政府に強く申し入れたのも、社会的弱者への目配りという意味合いが大きい。こうした公明党の役割は、政治の安定だけでなく、社会の安定にも資するものだ。
――自公連立政権が20年以上も続く要因は。
川上 参院選もそうだが、政権選択選挙となる衆院選での選挙協力が大きい。政策面での合意と選挙協力を重ねることで両党間の信頼関係が深まり、安定した政権運営が可能になった。
■「不断の改革」進め社会の安定に貢献
――非常時の今こそ政治の安定が求められているが。
川上 その通りだ。ただ、政治の安定は、社会をより良い方向に変えていく「不断の改革」で人心が安定していなければ成り立たない。
改革という視点で大事なことは、社会的弱者に安心感を届けることだ。いわゆる政治家の「身を切る改革」も重要かもしれないが、それが社会的弱者の生活にどう影響するのか。今、政治が安定しているのも、公明党が社会的弱者の目線から改革を進めてきたからだと言っても過言ではないと思う。
――公明党と連立を組んで自民党に変化は。
川上 例えば、公明党が一貫して取り組んできた児童手当の拡充は、自民党も少子化対策として実行しなくてはならないと考えるようになった。社会保障の分野で公明党がフロントランナーとして訴えていた政策を自民党が積極的に取り入れるようになってきた。
社会保障の充実は、国民の将来不安の払拭につながるだけに、こうした傾向は望ましい。