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企業への助成、手続き開始
配偶者手当見直し手順示す
「年収の壁」対策で政府
松野博一官房長官は20日の記者会見で、パート労働者らの収入が一定額を超えると社会保険料の支払いで手取りが減る「年収の壁」対策を巡って、従業員の収入増に取り組んだ企業向けの助成金の申請手続きを同日から開始すると発表した。
同助成金は、公明党の提言を受けて今月から適用されている政府の「年収の壁・支援強化パッケージ」の一環。従業員101人以上の企業で社会保険料を納付する「106万円の壁」対策として、賃上げなどを行った企業に対し、キャリアアップ助成金で新設された「社会保険適用時処遇改善コース」で、従業員1人当たり最大50万円を助成する。申請方法などの詳細については、都道府県労働局または管轄のハローワークまで。
このほか松野官房長官は、支援強化パッケージへの問い合わせを電話でワンストップで受け付ける総合相談窓口を「今月30日から開設する予定だ」と述べた。
一方、一部の企業で配偶者手当が支給されない「103万円の壁」について厚生労働省は20日、配偶者手当見直しの手順などを示した資料をホームページに公表。見直しの具体例として「配偶者手当の収入制限の撤廃」などを挙げている。
支援強化パッケージを巡って公明党は、使い勝手の良い助成金を政府に提案し、今回の助成では申請人数の上限撤廃や手続きの簡素化が実施されている。配偶者手当の見直しに関しても、留意点などを周知することを求めていた。