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2019年6月11日

【主張】農水産物輸出拡大  「福島産」風評一掃につなげたい

農林水産物・食品の輸出拡大に向け、政府は各国との交渉や衛生管理審査などの業務を一元化する新体制を来春にも発足させることを決めた。

相手国の食品安全規制に迅速に対応し、交渉に機動性を持たせることが狙いで、省庁間を横断する司令塔を農林水産省内に設ける。今月中にまとめる経済財政運営の指針「骨太の方針」に盛り込み、今秋開会予定の臨時国会に新法を提出する方針だ。

世界的な和食ブームや環太平洋連携協定(TPP)の発効を背景に、日本の農水産物輸出は好調を維持している。昨年は前年比12.4%増の9068億円を記録し、6年連続で過去最高を更新した。政府が目標に掲げる「2019年1兆円達成」はほぼ確実と見られる。

新体制の発足は、こうした拡大傾向に弾みをつけることになろう。農水産物輸出が名実ともに成長戦略の核となることを期待したい。

農水産物の輸出に関わる実務は現在、各国との交渉は農水省が手掛け、衛生管理審査は厚生労働省が担うなど、省庁間にまたがっている。

このため、事業者からは手間暇がかかるとの指摘が絶えず、実際に行政手続き上の問題で輸出が滞る事態もたびたび発生してきた。

産地の民間機関で安全審査ができるようにもする新体制は、こうした縦割り行政の弊害を打破し、自治体や農家と事業者との連携強化も促すはずだ。高齢化や担い手不足が深刻化する農水産業の再生にもつながろう。

無論、手続きの簡素化、迅速化で輸出が一気に増えるものでもない。食品の輸入規制が世界的に強まる中、品質と安全性の確保がこれまで以上に重要になっていることを忘れてはなるまい。

なかでも銘記すべきは、東京電力福島第1原発事故に伴う輸入規制が今なお、23の国と地域で続いていることだ。

福島直産を含む日本産食品の安全性は、厳しい検査を通して完全に保証されている。にもかかわらず、「福島産」への風評が海外で消えない現実をどう見るか。

政府には、新体制移行を機に風評一掃をも強力に推し進める大胆かつ緻密な戦略的思考を求めたい。

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