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【主張】紛争避難民の支援 新たな「準難民」制度の積極活用を
人道的な見地から、ウクライナなど紛争地からの避難民を幅広く保護し、支援していきたい。
政府は、国連難民条約上の「難民」に該当しない紛争避難民を「補完的保護対象者」(準難民)として保護する制度を12月から始めることを決め、仕組みや手続きの周知を進めている。
現在、国内にはウクライナ避難民が2000人余り在留しており、政府は1年間の「特定活動」と呼ばれる在留資格を付与している。働くことは許されるものの、在留期限を迎えれば更新が必要で、不安定な立場に置かれている。
準難民に認定されれば、難民と同様に「定住者」の資格が付与されるほか、公的な福祉サービスを受けられ、国民健康保険にも加入できるようになる。これまで拒まれるケースが多かった銀行口座の開設や携帯電話の契約などが円滑に進むことも期待される。
これまで日本は難民の認定について、国連難民条約に基づき人種や宗教、国籍などを理由に迫害を受ける恐れがある場合に限ってきた。紛争地からの避難民を同条約上の難民とみなす枠組みもなかったことから、紛争避難民を受け入れ、適切に支援する制度ができた意義は大きい。
近年、紛争地から逃れ自国外で避難生活を送る人は世界的に増加傾向にある。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が6月に公表した推計では、難民などの総数は約1億1000万人と過去最多になった。
UNHCRの昨年の報告によると、世界最大の難民受け入れ国のトルコには、隣国シリアの内戦から逃れた約360万人が暮らしており、難民登録した人には政府が無償で医療や教育などの支援を行っている。欧州のドイツは約210万人の難民を受け入れ、生活費の助成などを実施している。
言葉の壁や情報不足により、紛争避難民は不安な気持ちで暮らすことになる。人道国家を掲げる日本は準難民制度を活用し、積極的に紛争避難民を受け入れ、支えていくべきである。









