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2023年10月4日

【主張】福島の特定帰還区域 避難解除へきめ細かな対応を

福島復興を前に進める一歩である。

東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域への住民帰還を巡り、政府は9月29日、第1原発が立地する福島県大熊、双葉両町が申請した「特定帰還居住区域」の復興再生計画を認定した。2020年代に希望する全ての避難者の帰還をめざす方針に基づき、住民や自治体の意向にきめ細かく対応する姿勢で臨むべきだ。

特定帰還居住区域は、今年6月に成立した改正福島復興再生特別措置法で新設された。計画認定は帰還困難区域がある県内7市町村で初めてで、政府は年度内に除染を始め、帰還できる環境の整備を進める。

帰還困難区域で先行して除染した「特定復興再生拠点区域」(復興拠点)の避難指示が今年5月に全て解除され、復興拠点から外れた地域でも、故郷での生活を取り戻したいと願う避難者の帰還を進めるのが、改正法の狙いである。

一日も早く除染とインフラ整備などの各種事業を完了させ、避難指示を解除できるよう、政府は全力を挙げてほしい。

今回認定されたのは、大熊町下野上の一部(約60ヘクタール)と、双葉町の長塚、目迫、水沢、前田の各一部(計約50ヘクタール)だ。住民の帰還意向調査を踏まえ、県と連携して復興拠点に接するエリアを計画案に反映した。

計画策定に当たり、除染範囲を帰還意向のある住民の自宅周辺に限定せず、農地や集会所などを含めた生活圏として面的に広げたことは重要だ。生活実態に合わせた環境整備が不可欠であり、帰還する住民の不安払拭にもつながるだろう。

両町は、住民の意向を聞き、必要に応じて区域を拡大させる考えで、富岡町なども計画策定に向けて準備を進めている。

原発事故から12年半の歳月が流れ、避難先で生活が定着した人も多く、望郷の念に駆られつつも、すぐに帰還を判断できない住民もいる。揺れ動く住民の思いに最大限に配慮し、意向調査を丁寧に重ねていくことが求められる。

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