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【主張】犯罪被害者支援 人権保障の司令塔新設に期待
刑事司法の中で長年「忘れ去られた人」と呼ばれていた犯罪被害者の人権問題には迅速な対応が必要だ。
政府は1日、犯罪被害者支援の司令塔として、警察庁に「犯罪被害者等施策推進課」を新設した。警察が実施する支援策の推進だけでなく、関係省庁や地方自治体の取り組みとの総合調整も担う。
犯罪被害者の人権保障がさらに前進することを期待したい。
犯罪被害者支援は公明党が推進した2005年施行の犯罪被害者等基本法から本格化した。
それ以前は、殺人事件の遺族や、重症を負ったり障がいが残った被害者に給付金を支給する制度はあったが、捜査から裁判に至る刑事司法の中で、被害者には捜査状況も裁判日程も伝えられなかった。
08年の内閣府「犯罪被害者の意識調査」では、6割以上が事件後も「不安を抱えた」と回答、精神的な不安定や体調を崩したとの回答も多かった。こうしたダメージを受けている上に、真実を知りたいとの犯罪被害者としての当然の望みすら無視されていた。
しかし現在は違う。
殺人や傷害、性犯罪、そしてひき逃げなどの交通死亡事故のような重大事件では、犯罪被害者から事情聴取をした捜査員が「被害者の手引き」を渡し、警察の支援策を説明してくれる。
また被害者連絡制度によって捜査状況も聞け、警察の相談窓口に行けば、国や地方自治体が実施している多くの支援制度についても教えてもらえる。
裁判が始まれば、証人として出廷するだけでなく、被害者参加制度を利用して法廷で自分の意見を述べ、被告人に質問することもできる。
これからも犯罪被害者に寄り添い、個々の状況に柔軟に対応できる支援策の整備が求められる。
そのために政府は、司令塔を機能させると同時に、検討中の犯罪被害者支援弁護士制度の創設や、支援を一元的に提供する自治体の体制強化について早期実現をめざしてほしい。









