公明党トップ / ニュース / p319868

ニュース

2023年9月30日

【Q&A】インボイスあすスタート

公明、制度定着へ支援

10月1日から消費税のインボイス(適格請求書)制度が始まります。公明党は制度の円滑な導入、定着に向け、事業者に対する各種支援策を推進してきました。インボイスの意義や事業者の抱える懸念への対応について、Q&A形式で紹介します。

Q、そもそもインボイスとは?

商品やサービスの購入にかかる消費税額を8%と10%の税率ごとに分けて記載した請求書のことです。事業者同士が取引する際に発行するもので、消費者だけを相手にする商売には関係がありません。発行するには税務署への登録が必要ですが、登録はあくまで任意です。

Q、なぜ導入するの?

事業者間の取引の消費税額を正確に把握し、より公正な税制を実現するのが狙いで、複数税率を導入している諸外国では“標準”の制度です。10月以降は、原則としてインボイスがないと事業者が商品を販売して消費税を納税する際、仕入れ時に支払った分の消費税額を納税額から差し引く「仕入れ税額控除」ができなくなります。

Q、小規模事業者は新たに税負担が生じると聞いたけど……。

消費税の納税義務が免除されている売上高1000万円以下の「免税事業者」が、インボイスを発行するために税務署に登録すると「課税事業者」として扱われ、消費税の納税義務が生じます。

ただ、その場合、経過措置として3年間は納税額が売り上げ時に受け取る消費税額の2割で済みます(2割特例)。

Q、従来の「簡易課税制度」は続くの?

続きます。売上高5000万円以下の事業者が実際に仕入れにかかった消費税額を計算しなくても、業種ごとに定められた「みなし仕入れ率」を使って納税額を算出できる仕組みです。この制度を適用した場合、2年間は継続して適用しなければなりません。

Q、免税事業者のままでいると、発注者側から一方的に取引停止や値下げを強いられそう……。

まず、課税事業者になるかどうかは各事業者の判断です。公正取引委員会は、取引先から不当な扱いを受けることがないよう、監視・対応しています。すでに独占禁止法違反につながる恐れがあるとして公取委が発注側の事業者を注意した事例は、8月末時点でイラスト制作業や人材派遣業など20件に上ります。一方で、発注者側にも支援策が設けられています。

Q、受領したインボイスの処理で事務負担が増えそう……。

簡易課税制度か2割特例を適用すれば、売上額だけで納税額が計算できるため、インボイスの保存なしで仕入れ税額控除ができます。それ以外の事業者についても、必ずしもインボイスを受領する度に登録番号が適正かを確認しなくてもよいとするなど、国税庁は柔軟に対応する方針です。また、売上高1億円以下の事業者は、6年間は1万円未満の仕入れについて帳簿を付けていればインボイスの保存が不要となります。

各業界の取り組み
免税事業者 不利益被らぬ対応加速

インボイス制度の円滑な導入に向け、政府がインボイスを発行しない免税事業者や課税転換した事業者に対する支援策を設ける一方で、各業界も、こうした事業者が不利益を被らないよう取り組みを進めています。

【農業】

免税事業者の農業者は、農協・卸売市場への出荷分については、買い手に対するインボイスの交付義務が免除されます。農協などが発行する書類で買い手は仕入れ税額控除ができるからです。

直売所や道の駅などへの出荷分についても、販売を委託している場合、消費者への販売にインボイス制度の影響はありません。一方、直売所などが買い取っている場合は、仕入れ税額控除ができなくなるため、農林水産省は、直売所などから相談があれば価格面を含む取引条件について話し合うよう呼び掛けています。

【アニメーション制作業】

アニメ制作会社の団体「日本動画協会」が8月、免税事業者に対する不当な取引停止や価格引き下げを行わないなどの留意点を会員企業に周知しています。また、各制作会社がフリーランスのアニメーターに対する個別説明会を実施しています。

【建設業】

制度の影響が大きいとされているのが、いわゆる「一人親方」です。住宅メーカーからなる住宅生産団体連合会(住団連)は5月、元請けが発注先である一人親方など免税事業者に対して「(インボイス)登録の強要はしない」「登録しないことを理由に発注取りやめをしない」とする指針を策定し、会員企業に行動を促しています。この指針を踏まえ、各会員企業は下請け企業に対し、セミナーや個別相談会の開催、相談窓口の設置といったサポートを実施しています。

【フリーランス】

課税転換することで新たに税負担が生じるといった懸念が指摘される中、フリーランス協会は、課税転換するフリーランスが2%以上の報酬値上げをめざすキャンペーン「インボイス2%アクション」を展開。取引先の企業などに賛同を呼び掛け、報酬適正化に向けた価格交渉を後押ししています。

このほか、出版やフードデリバリー業界などでも、免税事業者に対し「取引価格を引き下げない」旨を表明する動きが出ています。

公明新聞のお申し込み

公明新聞は、激しく移り変わる社会・政治の動きを的確にとらえ、読者の目線でわかりやすく伝えてまいります。

定期購読はこちらから

ソーシャルメディア