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【主張】学生支援の視点 多様化に応じた政策メニューを
未来に希望を抱く学生の声に応える支援策を着実に形にしていきたい。
公明党学生局は5日、政府に政策提言を申し入れた。
提言内容は、若者の政治参画を促す主権者教育の充実をはじめ、教育費負担のさらなる軽減や学習環境の整備など40項目に上る。いずれも、党学生局が全国各地で開催している党所属議員と学生との懇談会(Qカレ)や、若者団体からのヒアリング、アンケートなどで寄せられた声を基に練り上げたものだ。
このうち教育費負担の軽減については、大学などの授業料減免や返済不要の給付型奨学金の拡充といった高等教育無償化の確実な実施をはじめ、奨学金の返済が経済的に困難な人に対し、返還期限猶予制度や減額返還制度が活用されるよう周知を進めることなどを要望している。
経済的な理由で進学を諦めることがないよう、政府は政策メニューを一段と進化させるべきである。
注目したいのは、学生の進路の多様化に目配りしていることだ。
海外に留学する学生は年々増加し、2017年度には10万人を突破。また首都圏の大学卒業後、故郷で働き、地域に貢献しようとする学生も増えている。このため提言では、官民協働による海外留学支援制度の充実や、U・I・Jターン就職者への奨学金返済支援の拡充を求めている。
加えて、増加傾向にある理工系女子学生の活躍推進や、大学院生への奨学金返還免除枠の拡充を訴えていることも見逃せない。
障がいのある学生や性的マイノリティー(少数者)の学生への配慮も重要な視点だ。
提言では、学校施設のバリアフリー化や障がいに応じた学習支援の推進、就職準備段階から職場定着までの専門的な支援などを要望。性的マイノリティーの学生に対する相談体制の充実や就職活動におけるハラスメント対策も求めている。政府は実現に向け積極的に取り組んでほしい。
大学の中には、障がいの有無や性別に関係なく使える多目的のトイレの整備を進めたり、一部の書類から性別欄を廃止したところもある。こうした先行事例の周知にも努めるべきだ。