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参院歳費を自主返納
今国会で法案成立へ
定数増受け月7.7万円が目安
国民負担 回避に責任
自公、幅広い合意形成へ尽力
西田実仁参院幹事長に聞く
夏の参院選からの定数増を踏まえ、自民、公明の与党両党などが提出した参院議員の歳費(給与)を国庫に自主返納できる国会議員歳費法改正案(議員立法)が5日の参院本会議で可決、衆院に送付されました。参院議員の歳費のあり方を巡る公明党の取り組みなどについて、西田実仁参院幹事長に聞きました。
――なぜ歳費を自主返納するのですか。
西田実仁参院幹事長 夏の参院選から定数が増えることに対し国民の皆さまの理解を得るには、定数増に伴う国民負担を避けなければならないからです。そのため、自民、公明両党が中心となって、全ての参院議員が歳費を自主返納できるようにするための法案を国会に提出し、野党である国民民主党の賛同も得て、5日に参院を通過しました。
――法案の具体的な内容は。
西田 歳費の自主返納は、公職選挙法で禁止されている国会議員の寄付行為に当たります。そこで法案では、夏の参院選後から3年間に限って歳費の自主返納を寄付行為の対象外にすることを定めました。返納額は、定数増に伴い歳費などへの支出が3年間で約6億7700万円増えることから、議員1人当たり月額7万7000円を目安にするよう記しています。
――全ての参院議員が自主返納に応じますか。
西田 最終的な判断は個々の議員に委ねられますが、参院の意思として自主返納を決めた意義は重く、多くの議員が自主返納に応じると考えています。公明党は、党として全参院議員が自主返納に応じます。
また、法案ではペーパーレス化などの経費節減についても幅広く検討していくことを明記しており、これも併せて定数増に伴う国民負担を増やさないよう取り組む決意です。
――自主返納という形にした理由は。
西田 そもそも、公明党は参院全体の予算の中で最大経費である議員歳費の削減こそ国民の皆さまにとって分かりやすく、理解が得られやすいと考え、自民党と粘り強く交渉を続けた結果、参院議員の歳費を一律に削減する法案を決定し国会に提出しました。その後、自公として野党に対し法案の早期審議入りをめざし丁寧な説明を尽くす中、国民民主党から提案されたのが歳費の自主返納案です。
自公両党は、効果が確実な一律削減法案が最善と考えていますが、幅広い理解を得て審議を円滑に進めるため、次善の措置として自主返納法案を取りまとめて提出し、一律削減法案を取り下げました。
なお、日本維新の会と立憲民主党がそれぞれ提出した衆参両院の議員歳費を一律削減する法案は、理解が得られず否決されました。
公明 参院の経費節減リード
――夏の参院選から定数が増える理由は。
西田 2015年成立の改正公選法では、「1票の格差」是正へ今夏の参院選までに選挙制度の抜本的な見直しについて「結論を得る」ことが定められていました。これを踏まえ、昨年の通常国会では、自民党が提出した定数6増を柱とする改正公選法が成立。これによって1票の格差は幾分是正されました。
ただ、人口の少ない二つの県を一つの選挙区にする「合区」を維持したまま、定数を増やす制度改正には異論も多く、あくまで一時的な措置と捉えています。
――定数増の法案に公明党も賛成したのですか。
西田 1票の格差是正という憲法上の要請に応えるため、やむを得ない措置として賛成しました。その上で、公明党は法案の採決に当たって、参院の経費節減に向けた十分な検討を行うと記した付帯決議を提案し、自民党などの賛成を得て議決されました。今回の自主返納は、これを踏まえた対応です。
――議員歳費の削減に向けた今後の取り組みは。
西田 今回の自主返納は、定数増という参院の特別な事情によるもので、いわゆる政治家の「身を切る改革」とは趣旨や目的が異なります。身を切る改革については、今回とは別に検討すべきと考えています。
――選挙制度の見直しについては。
西田 今回の自主返納は、3年間に限っており、それまでに参院選挙制度の抜本改革への議論を進めなくてはなりません。公明党が提案した付帯決議には、参院選挙制度の抜本改革へ議論を引き続き行うことが盛り込まれています。公明党は22年の参院選に向け熟議を尽くし、与野党の合意形成をリードしていく決意です。
公明「率先して返納」
中央幹事会で方針を確認
山口代表が強調
公明党は6日午前、東京都新宿区の党本部で開かれた中央幹事会で、夏の参院選からの定数増を踏まえ、参院議員の歳費を自主返納するための国会議員歳費法改正案が今国会で成立する見通しになったことを受け、党所属の参院議員全員が月7万7000円の自主返納を実施する方針を確認した。
会合冒頭のあいさつで山口那津男代表は、「各参院議員が自主返納を実行することが法の趣旨にかなうと確信する。公明党が率先して自主返納をリードしたい」と強調。また、同法案が5日に参院を通過し、衆院に送付されたことから、「参院の意思は確定した。衆院として法案に反対する理由はなく、成立は確保されている」と語った。











