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コラム「北斗七星」
来春卒業の学生を対象とする採用選考が6月1日、解禁され、各地で企業の面接が始まった。とはいえ、学生有利の「売り手市場」が続く中で、内定率は5割を超えたとの調査結果。就職活動は事実上の終盤という見方も◆学生が、履歴書を送るなど就職の意思を示す、つまりエントリーした企業数は、1人当たり30社程度。就職戦線が落ち着いたせいで減っているとはいえ、説明会や試験、面接に出向く学生の交通・宿泊費の負担は軽くない◆今春卒業した学生にたずねた調査によると、就職活動にかかった費用は平均で13.5万円。ただし、地域差が大きい。最小の関東が11万円なのに対して、最大の北海道は18万円。この差7万円は、ほぼ交通・宿泊費の違いだ。気になるのは、「(交通費を)安く抑えられる範囲の企業のみ受けた」という女子学生の声(株式会社ディスコ調べ)◆自らの能力や個性を、社会に生かそうと就職活動している。なのに、住んでいる地域や経済力によってその就職活動自体が制約される実態は、見過ごせない◆公明党は学生局など青年委員会が、政府に対して就職活動に対する経済的支援を訴える政策提言を行っている。いわば、教育費支援の一部、仕上げと考えることもできる。就職活動への経済的支援を本気で考える時期だ。(繁)