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新時代と公明党
政権で“福祉の声”上げる
軽減税率は高齢社会に適合
淑徳大学総合福祉学部教授 結城康博氏
――社会保障分野における公明党の役割をどう見るか。
結城康博・淑徳大学教授 社会保障は、いわゆる「勝ち組」が勝ち続けるのではなく、社会的弱者にも所得が再分配されることで、ある程度、公正な社会にしていくという考えの上に成り立っている。その意味で、中道路線を掲げ、再分配に取り組んできた公明党が、連立政権の一角を占める意義は大きい。
自民党は、かつてはリベラル系と、市場経済・規制緩和を重視する自由主義経済系が拮抗し、結果的に多少は中道色があった。しかし、近年は自由主義経済系が強くなり、「小さな政府」の流れが加速している印象がある。その中にあって、連立を組む公明党がこうした流れに歯止めをかけており、非常に評価している。
野党にも再分配の主張はあるが、財源を気にしていない点が課題だ。これに対し、公明党は与党として財政規律も考えながら、再分配を議論するところに特長があるといえる。
――公明党が自民党と連立を組んで20年たつ。この間に進められてきた改革を巡る公明党への評価は。
結城 介護保険や年金の改革など、いろいろ見てきた。財政逼迫の中で難しい決断もあったが、この20年間には、公明党が“福祉の声”を上げてきた歴史があると思う。
特に大きかったのが、消費税率10%への引き上げ時に導入される軽減税率だ。なぜなら、今後の高齢社会に最も適しているからだ。例えば、消費税率引き上げへの対応として、軽減税率とともに検討された「給付つき税額控除」は、申請の手続きが必要になるが、高齢化が進んで認知症の人が増えれば、それだけ手続きできない人が増えることになる。
手続きが必要ない軽減税率は、社会的弱者の立場に立った施策であり、福祉の視点を持つ公明党だからこそ実現できた。
――少子高齢化の進展を見据えて、今後、公明党に求められる取り組みは。
結城 現在、団塊の世代が全て75歳以上になる「2025年問題」が取り沙汰されているが、本当の危機は、この世代が85歳以上になり、2人に1人が要介護者になる「2035年」だ。これに備えた介護施策が打ち出せるかどうかは、公明党の今後の働きにかかっている。人口減少に見合った社会のあり方も提言していくべきだ。
社会保障を前に進めていくという、しっかりとした理念を持つ公明党には、ぜひとも、こうした議論をリードしてほしい。
ゆうき・やすひろ
1969年生まれ。淑徳大学卒、法政大学大学院修了。政治学博士。研究分野は社会保障論、社会福祉学。










