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関東大震災100年、東京の備えは今(中) マンション防災
セミナーで自助・共助を促す
在宅避難へ備蓄品購入費を助成
「少しずつイベントに協力してくれる人が増えてきた」。こう話すのは、東京都北区の小黒敏生さん(43)。自身が暮らす築6年の高層マンションで、住民同士の交流を促す「コミュニティクラブ」の中心的役割を担う。
これまで防災の専門家を招いたセミナーや、断水時に雨水などから飲料水を生成する機器の講習を開催。備蓄品として簡易トイレやアルファ米も配布した。小黒さんは巨大地震への備えの大切さを呼び掛けながら、「“ゆるいつながり”でいいので、継続して共助の力を高めたい」と語る。
都はマンションにおける防災活動を後押しするため、本年度から管理組合や自治会などを対象に「マンション防災セミナー」を申し込み制で開催している。セミナーで強調するのが、マンション特有の課題であるエレベーターの停止・閉じ込めや、トイレ問題だ。特にトイレ問題は、高層階の居住者が排水管の破損に気付かずに使用すると低層階で汚水が漏れ、あふれてしまう。復旧確認まで使用できず、簡易トイレの備蓄が必要になることの周知が欠かせない。
セミナーはこうした課題への対応方法を専門家から学ぶ「講習コース」のほか、訓練方法やマニュアル作成支援の相談役として専門家を2回まで派遣する「コンサルティングコース」を用意し、随時募集している。
耐震基準を満たしているマンションは、倒壊の危険が少ないため、在宅避難が有効な選択肢となる。都は「東京とどまるマンション」の登録を進め、停電時にエレベーターの運転を可能とする非常用電源設備の設置や、防災マニュアルの策定などを促している。本年度からは登録したマンションに対し、発電機や簡易トイレなど居住者が使う防災備蓄資機材の購入費を3分の2まで(上限66万円)支援。その結果、先月28日時点で登録数は7カ所から17カ所に倍以上増えている。
一方、マンションには、地震時の高層階での大きな振れ幅や延焼火災のリスクもある。都総務局総合防災部の東寛久・事業調整担当課長は、被害の度合いや余震に対する住民の不安はさまざまだとした上で、「都としては避難のあらゆる選択肢を増やしたい。一番安全・安心な方法を選んでほしい」と強調する。
都内人口約1400万人のうち、6割以上となる900万人がマンションや公営住宅などの集合住宅で暮らす東京。収容人数に限りがある避難所の混雑緩和という観点からも、マンション防災は避けられないテーマだ。首都直下地震への備えを着実に進めるため、普及・啓発とともに、支援策の充実が求められる。










