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2019年5月31日

【主張】がんゲノム医療 最適な治療法選びへ大きな前進

次世代のがん治療が国内でいよいよ本格化する。

厚生労働省の中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)は29日、がん患者の遺伝子情報を分析し、体質や症状に応じた最適な治療法や薬を選ぶ「がんゲノム医療」の検査システムについて、公的医療保険の適用を承認した。来月にも適用される予定だ。

がんは、さまざまな遺伝子の変異が積み重なることで発症する。その変異の現れ方は人それぞれだが、がんの原因となる遺伝子の変異を突き止めることができれば、ピンポイントでの治療も可能とされている。

正常な細胞も含めて攻撃する従来の抗がん剤は、脱毛や吐き気といった副作用が起こるが、遺伝子変異だけを狙い撃ちするゲノム医療は、副作用が少なく治療効果も高い。

ただ、がんゲノム医療には課題があった。検査が保険の適用外であったため、患者負担が数十万円と高額となり、普及が進まなかった。今後は遺伝子の検査にかかる費用が保険適用される。患者の自己負担が大きく軽減されることを歓迎したい。

具体的には、基本的な料金(公定価格)56万円の原則1割から3割で済む。1カ月の自己負担の上限を定めた高額療養費制度を利用できれば、負担額はさらに抑えられる。

保険適用が承認された検査システムは、100以上の患者の遺伝子の変異を一度に調べることができる。これにより、より的確な分析が可能になり、最適な治療法の選択に役立てられるようになることは、がん医療の重要な進展である。

がんゲノム医療を、がん対策の柱の一つとする国は、地域のがん治療の拠点病院など全国150以上の医療機関で準備を整えてきた。公明党も昨年7月に厚労相に申し入れた提言や国会質問などで体制整備を主張し、取り組みを後押ししてきた。

今後の課題として指摘しておきたいのは、患者の遺伝情報の取り扱いだ。

遺伝情報からは、将来かかる病気のリスクが分かるとも言われている。生命保険の加入拒否や企業の内定取り消しなどの差別につながることがないよう、個人情報の保護には万全を期すべきである。

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