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2023年8月5日

津波・洪水から身を守る!

高架道路を避難場所に 
大阪市沿岸部、国道43号の歩道活用 
佐藤(茂)、国重氏が尽力

津波や洪水の発生時に住民が逃げ込める高い位置の緊急避難場所を確保するため、国土交通省は現在、国道や高速道路の高架区間などの活用を全国1000カ所超で進めている。公明党が強力に推進しており、大阪市の沿岸部を通る国道43号での取り組みなどを紹介する。

大阪湾に面し、海面よりも低い地域を多く抱える大阪市此花区。同区を通る国道43号の高架区間のうち、安治川大橋と正蓮寺川橋の歩道部分が昨年3月、市の「指定緊急避難場所」に定められた。計1800人の避難が可能だ。

地上と高架区間を接続する階段を上った先にある歩道は地上約10メートルの高さで、南海トラフ地震で想定される最大規模の津波が起きた場合にも、浸水から逃れられるという。

「安心感が増した」と喜びを語るのは、地元の町内会長や防災リーダーの隊長を務める千賀清代一さん(73)。千賀さんらが住む地域から避難場所までは高齢者の足でも10分ほどでたどり着ける。地域の防災訓練では毎回、「津波が来たら国道に避難しよう」と皆で確認し合っているという。

国と粘り強く交渉

此花区では、南海トラフ地震の被害想定で大規模な浸水が懸念されるものの、住民が逃げ込める高い建物が少ない地域もあり、避難場所の確保が課題となっていた。

同区の行政は国道43号の高架区間に着目したが、国道を避難場所に指定した前例はほとんどなく、当初、国からの許可が得られない状況にあった。

避難場所に指定された高架道路で接続階段などを確認する国重氏(中)ら=22年11月 大阪市

そこで公明党の国重徹衆院議員は、地元の公明市議と緊密に連携しながら、国交省と粘り強く交渉を重ねた。その結果、2019年度中に一時避難場所としての確保が実現。さらに国による接続階段の耐震化を経て昨年、市の緊急避難場所として正式に指定された。

現地調査を重ね

耐震補強が行われている高架の歩道橋を視察する佐藤氏(左から2人目)ら=21年8月 大阪市

一方、此花区と同様の水害リスクを抱える大阪市の大正区や西成区でも、国道43号の高架区間を活用した避難場所の確保が進められている。公明党の佐藤茂樹衆院議員が地元の公明市議と連携し、強力に推進してきた。

木津川と尻無川に架かる二つの高架橋(地上10メートル超)の歩道橋部分に地域住民が安心して避難できるよう、国による耐震補強工事が行われており、工事が完了次第、市の緊急避難場所として指定される見通しだ。

佐藤氏はこれまで耐震補強の予算確保などに尽力。現地調査を重ね、住民の声を代弁しながら早期整備の必要性を国交省に訴えてきた。国道43号の高架について大正区の防災行政の担当者は、「住民を津波から守るための有効な避難場所になる」と強調していた。

全国1000カ所で整備

こうした大阪市内での取り組みは、公明党の推進で全国各地に広がっている。国重氏が20年1月の衆院予算委員会で此花区の事例を紹介し、同様の取り組みを全国的に進めるよう訴えた結果、道路の高架などを活用した避難場所の整備が、21年度から始まった「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」に盛り込まれた。

国交省は現在、全国の道路の高架区間などのうち計1050カ所(国道820カ所、高速道路230カ所)を対象に自治体と協議しながら、25年度末までの完了をめざして、津波・洪水の避難場所として活用するための整備を進めている。

整備に当たっては、そのまま避難場所に活用できる道路もあれば、階段の設置や耐震化などが必要な場合もある。これまでに国道は310カ所、高速は170カ所で整備が完了した(3月末時点)。

防災上の効果大きい

東京大学大学院 片田敏孝 特任教授

津波から命を守るために最も大切なことは、海から離れることではなく、海よりも高い場所に一刻も早く逃げることだ。避難に必要な“高さ”をいかに確保するかが求められる中、住民の生活に身近な道路の高架部分を活用していくことは、防災上の効果が非常に大きい。

公明党の主張を受け、全国的な整備が加速することを期待している。対策の実効性を高めるためには、道路の高架部分が避難可能な場所であることの周知が欠かせない。いざという時に迷わず逃げられるよう、避難訓練などの機会を通じて住民への浸透を図ってほしい。

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