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2023年8月1日

ほてり、のぼせ、発汗など更年期の女性 支える対策を

党「トータルプラン」から

ホルモンバランスの乱れにより、主に40歳を過ぎたころから不眠やイライラといった体調不良などに見舞われるのが、更年期障害です。生活に支障を来したり離職に追い込まれたりする人も少なくありません。公明党女性委員会(委員長=古屋範子副代表)は、政府への政策提言「すべての女性のためのトータルプラン」に、更年期の女性を守り支える対策を盛り込んでいます。その詳細を解説するとともに、同委員会で健康・医療プロジェクトチーム(PT)座長を務める吉田久美子衆院議員のコメントを紹介します。

心身の不調で離職者多く

更年期は女性の場合、一般的には閉経前後の10年間です。女性ホルモン(エストロゲン)のバランスが崩れることから心身に不調が現れます。厚生労働省によると、ほてり、のぼせ、発汗など身体症状や気分の落ち込みを「更年期症状」といい、日常生活に支障が出るような深刻な状態を「更年期障害」といいます。

女性就労率の上昇に伴い、更年期特有の不調を抱えながら働く女性へのサポートが急務となっています。独立行政法人「労働政策研究・研修機構」などの調査結果を基にした専門家の試算によると、更年期症状が原因で離職した人は40、50代の女性の中で推計46万人に上っています。

また、厚労省は昨年7月、更年期の症状や医療機関の受診状況などに関する全国意識調査の結果を発表しました。これによると、「更年期障害の可能性がある」と考えている人の割合は、50代の女性が最も多く38.3%でした。症状を自覚し始めていても医療機関を「受診していない」割合は、40、50代の女性で約8割を占めています。厚労省は調査結果などを踏まえ、日常生活に与える影響などについて研究を進めています。

健診に「簡略指数」が不可欠

SMI(簡略更年期指数)

女性の活躍を推進する上で、更年期の女性を守り支える対策を取ることが社会に求められています。党女性委が提言したトータルプランでは、その具体策として、更年期症状を数値化して客観的に捉える「簡略(または簡易)更年期指数(SMI)」のチェックを、対象年齢の女性の健診に必須化するよう訴えています。10項目の症状に応じて点数を入れ、その合計点を基に評価します。厚労省は、医療機関を受診する際の目安になるとしています。

また、トータルプランでは、「ホルモン補充療法(HRT)」や漢方療法などにアクセスしやすい医療体制の整備などを盛り込んでいます。HRTは更年期症状を改善する標準的な治療法で、身体に不足したホルモンを少量補うことで症状を緩和させます。薬の種類は、飲む、貼る、塗る――の三つのタイプ。ただし、日本女性医学学会によると、脳卒中や心筋梗塞、冠動脈疾患などの既往歴がある人はHRTができないのでご注意ください。

さらにトータルプランでは、「教育の場で更年期のことを学ぶ機会を作る」「相談窓口の整備促進」なども提言しています。

負担和らげ安心できる社会へ

党女性委員会健康・医療PT座長 吉田久美子 衆院議員

公明党は更年期障害に悩む女性への支援を推進しています。私自身も苦しんだ経験があることから、国会質問では、休暇を取りやすい環境整備や柔軟な働き方ができる制度の導入、医療体制の充実、正しい知識の普及などを主張しました。

また、多くの女性から寄せられた切実な声を基に、更年期障害が原因で離職するケースもあると指摘し、労働面での実態調査にも早く着手するよう求めてきました。

6月に政府より発表された「女性版骨太の方針」には、これまで重ねた提案が反映されており、手応えを感じています。今後は、トータルプランで提言した健診でのSMIの必須化などを、党の国と地方のネットワークの力を生かして各地で進めていきます。

更年期障害に苦しむ女性の負担を和らげ、一人でも多くの人が安心して生活を送り働き続けられる社会をめざし、引き続き力を尽くします。

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