ニュース
【主張】コロナ借換保証 中小企業の収益力強化にも生かせ
コロナ禍で中小企業の資金繰りの危機を救った民間金融機関の実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」。先月から返済開始がピークを迎え、来年4月にかけて集中する。返済負担による倒産を防ぐため、支援策の活用を促す必要がある。
ゼロゼロ融資は、売上高がコロナ前より15%以上減少したなどの条件を満たせば、最大6000万円を借りることができた制度。宿泊業や飲食店などを中心に利用され、多くの企業が倒産を免れた。民間調査機関の調べでは、2021年の全国倒産件数は57年ぶりの低水準だったという。
ただ、コロナ禍の影響は一部の業種で続いており、ゼロゼロ融資の返済が始まれば、経営が立ち行かなくなる企業も出かねない。そうした事態を見据え、公明党の提案で今年1月に創設されたのが、「コロナ借換保証」制度である。
同制度は、最近1カ月の売上高が前年同月より5%以上減少した場合だけでなく、原材料費や光熱費の高騰にも配慮し、利益率が5%以上低下した企業も対象となる。最長10年の融資に借り換えでき、返済期間が延びる分、月々の負担を減らすことができる。
中小企業庁によれば、7月21日までに6万4779件(速報値)の申し込みが承諾されている。資金繰りに苦しむ企業に支援が行き届くよう、政府は信用保証協会や金融機関との連携を強化してもらいたい。
さらに、同制度で特徴的なのは、利用する中小企業の収益力強化につながる仕組みを設けたことだ。
融資枠の上限をゼロゼロ融資より多い1億円とし、事業の再構築など前向きな投資にも活用できるようにした。その上で、企業側には事業計画(経営行動計画書)の策定を求め、経営状況の分析や計画終了時点の目標、具体的な行動プランなどを提出させる一方、金融機関にも計画の進捗を確認し助言する「継続的な伴走支援」を求めている。
中小企業は日本経済の屋台骨だ。官民が協力し、中小企業の収益力強化に力を尽くしたい。









