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2023年7月26日

5類移行後、初めての夏 コロナとどう向き合うか

舘田一博 東邦大学教授に聞く

新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行し、初めて迎えた今年の夏。社会が以前の日常に戻りつつある一方、感染者数の全国的な増加傾向が続いている。こうした中で今、コロナとどう向き合えばよいか。日本感染症学会理事長などを歴任した舘田一博・東邦大学教授に聞いた。

■直近の状況認識

拡大は予想の範囲内
8月、さらなる増加の恐れ  

――全国の定点医療機関の報告(10~16日)によれば、新規感染者数は医療機関1カ所当たり平均11.04人で、前週よりも1.21倍に上った。今の状況をどう見るか。

人々の日常生活が元に戻るような状況になれば再び感染が広がることは、5類移行の前からある程度、予想されていたことだ。それが今、実際に起きている。

だからといって過度に恐れなくていい。重症患者が増えているという声は聞こえてこないからだ。私たちの病院でも病床は少し埋まっているが、重症例はほとんどない。国民の多くがワクチン接種などによって一定程度の免疫を持つようになったことが大きい。

――これまでの3年間、夏には必ず感染拡大の波が起きたが。

残念ながら今年も、8月にかけて感染者数はさらに増加するだろう。

感染拡大の波を最小限に抑え、最近まで沖縄県が直面していたような医療現場の逼迫を防ぎながら、この夏を乗り越えることが、今後のコロナ収束を見通していく上で大切なポイントになる。

かつての日常を取り戻しつつある中だが、“感染しない・させない”ための心掛けは続けてほしい。

■体調に異変感じたら

まず感染を疑い対応
自宅療養が基本、つらい時は遠慮なく受診

――体調に異変を感じた時は。

熱やせき、喉の痛みなどの症状には、さまざまな原因が考えられるが、今の時期は、まずコロナ感染を疑い、対応していく必要がある。高齢者や基礎疾患がある人など、重症化リスクの高い人は、早め早めの行動で受診してほしい。

それ以外の人については、普通の風邪をひいた時と同じ考え方で問題ない。周囲の人にうつさないよう、自宅で療養することが基本だ。

不安な時や症状がつらい場合は、遠慮することなく医療機関を受診すべきだが、そうでなければ慌てて病院に行かなくてもいい。

――市販されている自己検査薬(抗原定性検査キット)について。

国が承認した「体外診断用医薬品」または「第1類医薬品」を活用してほしい。陽性との表示が出れば、医療機関を受診してコロナ治療薬などの飲み薬を出してもらうこともできる。

ただ、検査の精度がPCRほど高くないことを踏まえると、陰性と出ても感染の可能性を十分に否定できるわけではないことに注意を。症状があるうちは不用意な外出は控えるべきだ。

■飲み薬

症状改善へ高い効果

――コロナ治療薬が一般流通となり、身近なクリニックでも処方されつつある。少なくとも9月末までは公費負担で無料となっている。効果をどう見るか。

症状改善への高い有効性を実感している。国産の「ゾコーバ」をはじめ飲み薬が普及したことは大きな前進だ。特に重症化リスクの高い人は、早めに診断を受けて薬を飲めば、その分だけ早くウイルス量の増加を抑えることができ、重症化を招かないようにする効果が期待できる。

――療養期間は。

個人の判断に委ねられるが、国が推奨するように発症翌日から5日間は外出を控えることを勧めたい。療養中、どうしても食料などを買いに出なければならない時は、マスクを着用し、短時間で済ませることが望ましい。

■日常生活での注意点

重症化のリスク高い高齢者ら守る視点で行動

――日常生活の中で注意することは。

重症化リスクの高い高齢者らをいかに守るかという視点が今、最も大切だ。元気な人にとってコロナは、感染しても風邪と同じ程度で済むことが多いが、今でも一定数、命の危険にさらされている人たちがいる。そのことを念頭に置き、行動することが求められる。

マスクの着用や“3密”の回避、換気などの基本的な感染対策は効果が高い。可能な限り取り入れてほしい。

ワクチンも、最後の接種から4カ月以上がたつと回数に関係なく効果が薄れる。少なくとも今年度中は公費負担で無料なので、接種券が届いたら追加接種を積極的に検討してほしい。

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