公明党トップ / ニュース / p305822

ニュース

2023年7月26日

【主張】性犯罪歴の確認 子ども守る「DBS」丁寧な議論を

政府は、学校や保育など子どもと接する仕事に就く際に性犯罪歴がないことの証明を求める仕組み「日本版DBS」の導入について、検討を本格化させている。こども家庭庁は早ければ、秋に見込まれる臨時国会に法案を提出する考えだ。

近年、教員や保育士、ベビーシッターらが、子どもへのわいせつ行為で処分される事例が相次いでいる。性犯罪は相手の尊厳を踏みにじり、心に深い傷を残す極めて悪質な行為だ。特に子どもへの性犯罪は再犯率が高く、弱い立場にある子どもの性被害根絶は社会に課せられた責務と言える。

DBSは、英国の「ディスクロージャー・アンド・バーリング・サービス」(前歴開示・前歴者就業制限機構)の略。英国が2012年から導入し、犯罪歴をデータベースで管理して、性犯罪の前歴がある人が子どもと接する職業に就くことを禁じている。

ドイツやフランスなどにも同様の制度があり、日本版DBSはこの取り組みを参考に、就業希望者が公的機関の発行する「無犯罪証明書」を就業先に提出することを想定している。

子どもたちの安全を担保し、安心して成長できる環境づくりの重要性は論をまたない。一方、具体的な制度設計には課題も多い。

まず、証明書の提出を必要とする職業の範囲が焦点となる。子どもに関わる仕事は教員や保育士のほか、放課後児童クラブ(学童保育)、塾講師、スポーツ施設の指導員など多岐にわたるだけに、どこで線引きするかは容易ではない。

対象を広げれば規制効果は高まることが期待されるが、憲法の定める「職業選択の自由」に触れるとの見方もある。プライバシー保護のあり方や、加害者の社会復帰を妨げないかなど論点は少なくない。

日本版DBSの検討に当たっては、こうした課題を速やかに整理するとともに、現場の実態を把握するために被害者らの声にも耳を傾けるべきである。子どもを守る実効性ある仕組みづくりに向け、丁寧に議論を進めてもらいたい。

公明新聞のお申し込み

公明新聞は、激しく移り変わる社会・政治の動きを的確にとらえ、読者の目線でわかりやすく伝えてまいります。

定期購読はこちらから

ソーシャルメディア