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学びたい!このテーマ
環境守るため身近にできること
きょうは「海の日」。プラスチックごみ(プラごみ)などによる海洋汚染が懸念されるいま、私たちが身近な生活の中でできることは何でしょうか。その実践例を紹介するとともに、ごみの清掃活動に取り組む公明党員有志のグループを紹介します。
プラ製品の使用減らすライフスタイルを意識
日本では多くの人がごみの分別回収に協力していますが、プラごみのうち、リサイクルされているのは約28%にとどまります。その他は燃やされたり、埋め立てたりすることで処分されているのが現状です。
このため、プラスチックの使用そのものを減らしていくことが重要になります。私たちが身近にできることとして、買い物の際にマイバッグを持参してレジ袋をもらわないことや、使い捨ての容器や食器を減らすこと、容器の包装が少ない商品を購入することなどが挙げられます。外出時に飲み物を持って行く際は、ペットボトルではなく、マイボトルを使うようにしましょう。
シャンプーや洗剤などは詰め替えを使い、ボトルを再利用するようにしましょう。ホテルに用意されている歯ブラシや、くしなどのアメニティーを辞退することもプラごみ削減につながります。
また、ごみを拾う活動に参加して貢献することもできます。環境省と日本財団は「海ごみゼロ」を合言葉に清掃活動を推進する運動「海ごみゼロウィーク」を展開。30人以上で清掃活動を実施する団体にオリジナルのごみ袋を配布しています。海岸に限らず、河川や道路、公園などで清掃活動を続けている公明党員有志のグループも全国に多数あります。
個人の行動から社会全体の意識変革を促すこともできます。例えば、プラスチック製のストローやフォークの提供を取りやめるなど、環境に配慮した行動を取る企業やお店を応援することも、一つの意思表示となるでしょう。政治や行政に環境政策の充実を求めていくことも有効です。
また、ごみの問題を友人、知人と語り合い、行動する人を増やすことで、社会を少しずつ変えていくことができます。この夏、ご家庭や地域の中で、海の環境のことや、今できることを語り合ってみてはいかがでしょうか。
千葉・九十九里町の党員グループ
約30年前から海岸清掃
清掃活動を終えた党員グループ「クリーン九十九里」のメンバー=8日 千葉・九十九里町
海の環境を守ろうと、清掃活動に取り組む党員有志のグループは少なくありません。その一つ、千葉県九十九里町の党員らでつくる「クリーン九十九里」(田中広信代表)は、1994年から同町の海岸清掃を続けています。
今月8日には、早朝5時から約30人のメンバーが片貝中央海岸に集合。公明党の善塔道代町議と党山武支部の松井由美子副支部長も駆け付け、1時間にわたってごみを拾い集めました。集まったごみは流木のほか、ビニール袋や飲料の容器などプラごみも多くありました。
田中代表は「幼少期から親しんだ地元の海を大切にしたいとの思いで活動しています。早朝の活動ですが、皆さん楽しんで参加されています」と話していました。
海のごみの約8割は陸から
海の環境を汚染する原因となっているのが、海に流出するプラごみです。その量は毎年800万トンとも試算されています。国連環境計画(UNEP)は、2050年には海のプラごみの量が魚の量を上回ると予測しています。
特に、プラごみが風や紫外線などで砕け、小さな破片となった「マイクロプラスチック」は、自然に分解されることはなく、海に残り続けます。マイクロプラスチックを魚や貝が食べてしまう例も確認されており、そうした魚や貝などを人間が食べることで、人体への影響があるのではないかと心配されています。
プラスチックは軽くて丈夫で加工もしやすく、世界中でさまざまな製品に使われています。しかし、その中には、ペットボトル、食品の容器や包装、不織布のマスク、たばこのフィルターなど、使い捨てにされるものも多くあります。
これらのごみがポイ捨てされると、雨や風によって川に入り、海に流れ出てしまいます。海のごみの約8割は陸から出たものと推定されています。