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【主張】英国のTPP加盟 日本主導で自由貿易拡大さらに
自国優先の保護主義が台頭する世界経済にあって、自由貿易を堅持し、拡大する意義は大きい。
多国間の自由貿易協定である環太平洋連携協定(TPP)の閣僚級会合が16日にニュージーランドで開かれ、英国の加盟が正式に決定した。2018年に日本やオーストラリアなど11カ国で発足して以来、初めて加盟国が増えた。TPP加盟国の国内総生産(GDP)の合計は世界全体の12%から15%に高まる。
アジア太平洋地域に限られていた加盟国が欧州に広がったことは、TPPの自由貿易体制としての存在価値を高めることになる。英国の加盟を歓迎したい。
英国は世界6位のGDPを誇るが、EU離脱後の経済拡大が課題だった。TPP加盟国には東南アジアなど成長著しい国も多く、その勢いを取り込めることは英国にとって重要だ。
日本と英国は既に自由貿易協定を締結しているが、TPPへの参加により、日本から英国に輸出される精米の関税が撤廃され、コメの輸出拡大が期待される。
世界の自由貿易は米国が17年にTPPから離脱して以降、揺らいでいる。米中対立、ロシアのウクライナ侵略などで経済の分断が進み、輸出制限などで国益を守る経済安全保障を優先する意識が高まったからだ。
だが、自由貿易の拡大が世界経済の活性化につながることは論をまたない。日本の経済成長を後押しする意味でも、TPPの枠組みをさらに強化・拡大していく必要がある。
現在、加盟を申請しているのは中国、台湾のほか、コスタリカなど中南米の3カ国とウクライナだ。韓国やタイも関心を示す。
TPPは関税をほぼ撤廃することに加え、電子商取引や知的財産など幅広い分野のルールを定めている。TPP基準に適合する国が増えることは、公平・公正な自由貿易の発展に資する。
多国間の自由貿易協定は、機能不全が続く世界貿易機関(WTO)を補完する役割が期待される。日本は米国復帰を促しつつ、加盟拡大を主導するべきだ。









